2023 Fiscal Year Annual Research Report
Solid-State Materials Science of Supramolecular Polymers and Their Applications
Project/Area Number |
23H05408
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
相田 卓三 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, グループディレクター (00167769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 卓幸 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任講師 (20823991)
HUANG HUBIAO 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 研究員 (40894829)
三苫 伸彦 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 研究員 (90768673)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 固体超分子ポリマー / 超分子プラスチック / 自己修復ポリマー / 相分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
超分子ポリマーは溶液中の挙動に焦点をあてることにより発展してきており、固体物性の理解はほぼ未開拓である。本研究では「超分子ポリマーの固体材料科学」に切り込み、持続可能な未来の実現とその先を目指して、破格の力学強度を有するにも関わらず、条件次第では容易に原料にまで戻せる超分子ポリマーガラスなどの革新的機能材料を創成する。 プラスチック汚染という重大な問題のため、持続可能な未来のための理想的なポリマー材料は、その物理的・化学的特性を損なうことなく、以下の必要条件を満たさなければならない。 (1) ポリマーの製造と加工は、環境に優しく、エネルギーに配慮したものでなければならない。 (2) ポリマーの廃棄物やCO2排出は最小限であるべきである。 (3) ポリマーはリサイクルが容易であり、循環型経済が可能であるべきである。 (4) ポリマーは、一度海洋に投入されれば生物学的に代謝可能であるべきである。 (5) ポリマーは人体や環境に対して毒性がないこと。 本年度は、リン酸塩とグアニジニウム塩をベースとするモノマーから、機械的に強固でありながらも海洋代謝可能なプラスチックのグリーン合成を達成した。この2つのモノマーを水中で混合すると、多価の塩が架橋することで、架橋超分子ポリマーが得られる。このポリマーは、液/液相分離に伴ってモノマーから元の対イオンが排出され、解離性が低下するため、高い力学的強度を示すようになる。続いて得られた超分子ポリマーを乾燥させると、上記の(1)~(5)のすべての要請を満たす物質が得られる。基礎的な観点から最も重要な点は、得られた超分子ポリマーが従来のプラスチックに類似した緩和挙動を示すことである。超分子ポリマーでは、これまでゴムのような緩和挙動しか知られていなかったことを考えると、今回の成果は「超分子ポリマー物理学」という新しい分野を創出するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
固体超分子ポリマーの研究成果をまとめ、世界的に著名な学術誌へ投稿し、査読を受けた。現在は同誌への再投稿に向け、追加実験を行っている段階である。 また、これとは別の多くのプロジェクト(自己修復ポリマーなど)においても、研究計画当初には想定していなかった発見があった。
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Strategy for Future Research Activity |
超分子ポリマーでは、これまでゴムのような緩和挙動しか知られていなかったが、今回の研究により「超分子プラスチック」という新しい物質を得た。今後はこの新規材料の力学特性、光学特性に関して詳細な研究を行う。 また、自己修復ポリマーなど他のプロジェクトでの新発見を学術誌にて発表する。
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Research Products
(8 results)