超高解像度素粒子イメージングで拓くニュートリノ反応物理の新境地

2023 Fiscal Year Comments on the Screening Results

• Project/Area Number: 23H05434
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
• Allocation Type: Single-year Grants
• Review Section: Broad Section B
• Research Institution: Kyoto University
• Principal Investigator: 中家 剛 京都大学, 理学研究科, 教授 (50314175)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 吉田 賢市 大阪大学, 核物理研究センター, 准教授 (00567547) ; 佐藤 修 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 特任准教授 (20377964) ; 早戸 良成 東京大学, 宇宙線研究所, 准教授 (60321535) ; 南野 彰宏 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (70511674) ; 三角 尚治 日本大学, 生産工学部, 准教授 (80408947)
• Project Period (FY): 2023-04-12 – 2028-03-31

Summary of the Research Project

本研究は、J-PARCの高強度ニュートリノビームと独自の原子核乾板技術を組み合わせたニュートリノ反応測定NINJA（Neutrino Interaction research with Nuclear emulsion and J-PARC Accelerator）実験を遂行し、ニュートリノ反応で生成される全ての荷電粒子を超低閾値で観測することで、荷電カレント準弾性散乱、π粒子生成反応、荷電カレント準弾性散乱（CCQE）類似の２核子散乱の生成断面積を高精度で測定する独創的なものである。

Scientific Significance and Expected Research Achievements

ニュートリノ反応断面積を高精度で測定することで、ニュートリノ振動解析における断面積起因の系統誤差を３%以下に軽減し、将来のハイパーカミオカンデ実験における「CP対称性の破れの発見」を確実なものとすると期待できる。ニュートリノのCP対称性の破れは、物質優位の宇宙の起源に関わり、素粒子物理学の最重要研究テーマの一つである。２核子散乱反応は世界初の測定となる予定であり、超低閾値での散乱断面積高精度測定は、原子核物理学にも大きく貢献すると期待できる。