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2024 Fiscal Year Research-status Report

the development of the "topological" thinking in the philosophy of Kyoto school

Research Project

Project/Area Number 23K00031
Research InstitutionKyoto Institute of Technology

Principal Investigator

秋富 克哉  京都工芸繊維大学, 基盤科学系, 教授 (80263169)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Keywords京都学派哲学 / 場所(的論理) / 空 / ハイデッガー / 歴史 / ポイエシス / 形 / 技術
Outline of Annual Research Achievements

5月にイタリアのパドヴァ大学での国際シンポジウム"The Faces of Tragedy"に参加して英語発表を行うとともに、主催者の一人Marcello Ghilardi教授のセミナーで西谷啓治の芭蕉理解をもとにした英語の報告を行なった。
9月に早稲田大学で開かれた研究会で「形なきものの形 ― 京都学派における「制作(ポイエーシス)」思想の系譜」の発表を行い、その準備のために、西田の場所の論理を「形の論理」との連関で掘り下げた。特に「一般者」をめぐる中期の思想の展開のなかで、必ずしもテキスト上には顕在化しない「場所的論理」がどのように動いているのかに留意した。
田辺哲学については、「種の論理」についてのテキストを読解した以外に、若手研究者・浦井聡氏の著作『田辺元 社会的現実と救済の哲学』(京都大学学術出版会)の書評を、西田哲学会の学会誌『西田哲学年報』向けに執筆したことで、田辺哲学全体を概観する機会を得ることができた。
2025年3月には、南山大学で開かれた国際ワークショップ「ハイデッガーと日本の哲学」に参加し、英語での発表"Poetic image and logos ― late Nishitani and late Heidegger"を行なった。同じく南山大学で昨年開催された国際ワークショップ"Jaspers in Dialogue"をもとにした報告論文集に、西谷の技術論についての英語論文を寄稿した。
日独文化研究所の年報『文明と哲学』に「禅をめぐるハイデッガーと西谷啓治との呼応」を発表し、さらに、同研究所から刊行の論集『共生(続)』に、既出論文「空と歴史」を掲載したが、その再録のために全体の補強改良を行なった。この作業の軸になっている西谷哲学については、アメリカのボルチモア大学教授ブレット・デービス氏と責任編者となって継続的に関わっている論集のため、改めて『ニヒリズム』と『宗教とは何か』の読解を進め、「空の立場」と歴史の関係についての論考の執筆に携わった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

まず、中心となる西田哲学については、計画の中核に据えた中期から後期の思索、具体的なテキストで言えば、『一般者の自覚的体系』以降『無の自覚的限定』、『哲学の根本問題』正続篇を経て『哲学論文集』第1から第7までの著作について、かなりのものを読み進めることができたし、今もなお着実に読み進めている。
西谷哲学についても、『宗教とは何か』を中心に、それ以降の「空」の立場の展開を、ニヒリズムや歴史という主題との関係や詩歌の解釈との連関で考察し、これらについてはかなりの研究成果を出すことができたと思う。西田における絶対無と西谷における空との関係についても、少し明らかになったように思う。本科研課題の全体のノルマとして自らに課していた英語での公表ということが達成できたことも、研究計画の進捗として位置づけたい。
田辺哲学については、全集の第6、7巻 所収の諸論考を通して「種の論理」および「絶対媒介の哲学」の立場を、ある程度自分なりに押さえることができたと思われる。
他方で、これら三者に比べて、高山岩男の『場所的論理と呼応の原理』や山内得立の『ロゴスとレンマ』と『随眠の哲学』については、少しずつ読解を進めているもののなかなかスムーズには行かず、上記の思想家たちとの思想的連関を追跡するというところまでには至っていない。もとより、2年目までの状況では、西田哲学や西谷哲学への重点が当初考えていたより大きくなり、しかもある意味で想定以上の進展があったので、全体としては「おおむね順調」と見なしてよいと思っている。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究でも、まず最初に挙げるべきは、中核となる西田哲学の研究の推進である。上記のように、かなりのものを読み進めてきているが、その分量と難解さから、短期間でこなせるものではなく、そのため、ともかく日々読み進めていくことが肝心である。とりわけ、7巻から成る『哲学論文集』の全体を読み通すことが当面の目標である。
西谷啓治については、すでにテキスト読解はかなり進んでいるため、論文の形にしていくことが課題となるであろう。とりわけ、ブレット・デービス氏と責任編者として進めているアメリカのSpringer社刊行による"Tetsugaku Companion to Nishitani Keiji"は、今年後半が締め切りとなっているため、自らの論文執筆と論集編集の作業が重要となる。
他方で、田辺哲学については、研究全体の重点を置くというよりは、西田批判の文脈で「種の論理」を読解することまでを目標とすることで、満足しなければならないと思っている。
さらに、上でも述べたように、西田の場所的論理の批判的展開として、高山岩男の『場所的論理と呼応の原理』や山内得立の『ロゴスとレンマ』と『随眠の哲学』について掘り下げることが、最大の課題になる。7月までは、すでに予定執筆として、西田と西谷についての論考の予定があるため、少なくともそれまではこれらの作業に全力集中することが求められる。したがって、8月以降、高山や山内のテキストに専心する予定でいるが、特に山内のテキストは、仏教の論理を大きく扱っており、これは、申請者が目指している西洋と東洋の論理という主題を突き進めるうえできわめて重要になると考えている。もう一つの課題である上田閑照の場所思想(「二重世界内存在」)については、年末締め切りの論集に論文を執筆する予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2025 2024

All Journal Article (1 results) Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results,  Invited: 2 results)

  • [Journal Article] 「禅をめぐるハイデッガーと西谷啓治の呼応」2025

    • Author(s)
      秋富克哉
    • Journal Title

      『文明と哲学』

      Volume: 17 Pages: 45-62

  • [Presentation] Poetic image and logos ― late Nishitani and late Heidegger2025

    • Author(s)
      Katsuya Akitomi
    • Organizer
      Workshop Japanese Philosophy and its Auseinandersetzung with Heidegger
    • Int'l Joint Research / Invited
  • [Presentation] Heidegger and Greek tragedy ; Based on his interpretation of "Oedipus the King"2024

    • Author(s)
      Katsuya Akitomi
    • Organizer
      International Workshop “The Faces pf Tragedy between Aesthetics and Interculture”
    • Int'l Joint Research / Invited
  • [Presentation] 「形なきものの形 ― 京都学派における「制作(ポイエーシス)」思想の系譜」2024

    • Author(s)
      秋富克哉
    • Organizer
      「近代日本思想におけるポイエーシスとプラクシスの相克と協働をめぐる総合的研究」

URL: 

Published: 2025-12-26  

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