2023 Fiscal Year Research-status Report
The linguistic and bibliographic Study of Old Korean Books in Japan
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23K00052
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
藤本 幸夫 麗澤大学, 研究センター, 言語研究センター客員教授・麗澤大学名誉教授 (70093458)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 朝鮮本 / 活字印刷 / 刊記 / 刻手 / 木版本 / 寺刹版 |
Outline of Annual Research Achievements |
筆者は日本現存朝鮮本を研究対象として50余年間調査・研究を行い、すでに「集部」「史部」に関しては研究書を刊行している。但し江戸末期まで日本にあり、明治初期にアーネスト・サトウによって購入され、現在大英図書館にある朝鮮本、又楊守敬によって購われ、現在台湾故宮博物院図書文献所に収蔵される朝鮮本は、日本現存本に準じて研究対象とする。現在「子部」「経部」を執筆中であるが、そのため韓国で最近刊行の目録や研究書類が必要であり、更に近年韓国発見の善本類や研究動向を知る必要がある。そこで7月には韓国に行き、ソウル大学付属奎章閣で古書を閲覧、また同所から出版されている書籍の寄贈を受けた。更に高麗大学図書館にて古書を閲覧するとともに、同大学の朝鮮本研究者と最近の朝鮮本研究状況につき、意見交換を行った。筆者は現在「子部」中の仏書について執筆しているが、仏書には各寺刹において刊行費を募り、刊行されたものが極めて多い。例えば『妙法蓮華経』の場合には、朝鮮王朝時代(1392-1910)に170回ほどの刊行が確認される。仏書には通常巻末に「刊記」が付されるが、よく使用されるため、それが失われている場合が多い。韓国の仏書研究の第一人者である宋日基教授と仏書の刊年や「刊記」・刻手などに関して意見を交換、得られるところが多かった。8月には鹿児島大学で16世紀刊行の島津久光公旧蔵「理学類編」を閲覧した。極めて善本であった。また3月には京都大学付属図書館で以前の調査で見落とした箇所の確認を行った。 日本現存朝鮮本の大部分は調査済みであるが、本年度は最近存在を知った書の調査や再確認を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本現存朝鮮本の大部分はすでに調査済みであり、現在は未調査書・最近知られた書或いは閲覧が可能になった文庫の所蔵本・補完的調査に当たっている。
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Strategy for Future Research Activity |
日本現存朝鮮本の大部分はすでに調査済みであり、今後は未調査書・最近知られた書或いは閲覧が可能になった文庫の所蔵本・補完的調査に当たる。今年度は最近調査が認められた成簣堂文庫本、また多くの朝鮮本の存在が明らかになった杏雨書屋所蔵朝鮮医書の調査を行う予定である。昨年同様韓国調査訪問の予定である。
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Causes of Carryover |
出張時の予測を誤り、9434円の残金が生じたが、来年度に使用の予定である。
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