2023 Fiscal Year Research-status Report
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23K00055
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Research Institution | Taisho University |
Principal Investigator |
平林 二郎 大正大学, 綜合仏教研究所, 研究員 (30724421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吹田 隆道 佛教大学, 公私立大学の部局等, 非常勤講師 (70765403)
名和 隆乾 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 講師 (20782741)
唐井 隆徳 佛教大学, 公私立大学の部局等, 非常勤講師 (80835702)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | インド仏教 / 法門 / パリヤーヤ / 経典読誦 / 読誦経典 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度はダンマパリヤーヤと経典読誦・読誦経典がどのように関係しているかという問題に焦点を当て,初期仏教経典で使用されているダンマパリヤーヤの用例を整理・考察する研究を進めた. 平林(研究代表者)は初期仏典で使用されるダンマパリヤーヤとパリヤーヤの用例について研究を進めた.その研究の一部として,「マッジマ・ニカーヤ」(中部)の多受経・蜜玉経・大有明経・アヌルッダ経や,「サンユッタ・ニカーヤ」(相応部)のゴーダッタ経などで使用されるパリヤーヤの用例から,世尊の法の説き方はパリヤーヤによってさまざまな内容を説くものであったという研究成果を印度学仏教学会で発表した. 本年度の最後には経典読誦・読誦経典国際ワークショップ The Workshop on Sutra Recitation and Reciting Sutrasを開催した. このワークショップの初日では,吹田(研究分担者)が読誦経典の研究史を概説し,読誦経典とダンマパリヤーヤの関係についての問題を述べた.この他に,ゲッティンゲン科学アカデミーのChung Jin-il博士と,チュラロンコン大学のTudkeao Chanwit博士がそれぞれ経典読誦・読誦経典とパリヤーヤについて最新の研究成果を発表した.上記の質疑応答の際にワークショプに参加された多くの先生方から,経典読誦・読誦経典に関する新たな研究成果の情報や,研究資料の情報をいただいた. ワークショップの二日目には,『ニダーナサンユクタ』を中心に読誦経典の解読を進め,その内容を検討した. このワークショップで得た知見をもとに,『ニダーナサンユクタ』などについての研究成果を近年中に出版する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初期仏教聖典の経蔵に含まれる「長部」・「中部」・「相応部」・「増支部」・「小部」の五部の中でダンマパリヤーヤとパリヤーヤという術語が使用されている用例についてはほぼ整理が完了した. 上記の研究につづけて,『法華経』など初期大乗経典のなかでダルマパルヤーヤという語が使用されている用例を整理しはじめることができた. 初年度は44回にわたってオンラインで研究会を開催し,「大経」に含まれる読誦経典などを読み進めた.この研究会では平林(研究代表者)と吹田・名和・唐井(研究分担者)の他にChung Jin-il博士(ゲッティンゲン科学アカデミー)や石田智宏教授(興隆学林専門学校)に研究協力者として参加していただいた.この他,唯識に関連する内容については佐久間秀範名誉教授(筑波大学)からも助言をいただいた. 初年度のおわりに経典読誦・読誦経典国際ワークショップ The Workshop on Sutra Recitation and Reciting Sutrasを開催した.このワークショップでは国際的に活躍している20名以上の仏教研究者が集まり,それぞれの専門分野から多くの知見を得ることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の後半に引き続き初期大乗経典のなかで使用されるダルマパルヤーヤとパルヤーヤについて研究を進める. 現在は『法華経』の用例の整理を進めており,この整理が終わり次第,『般若経』や『華厳経』などについても研究を進める. コロナ禍における研究活動の制限がなくなったことから,国内外の仏教研究者たちと協力し,読誦経典のサンスクリット写本を解読する研究会を開催したいと考えている.具体的な内容としてはゲッティンゲンのChung Jin-il博士や,チュラロンコン大学のTudkeao Chanwitと協力し,研究調査や現地での研究会の開催を計画している. 上記をもとに,研究代表者と研究分担者の各自が最新の研究成果を学会などで発表する.
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Causes of Carryover |
コロナ禍で研究活動が制限されていたことにより,他の研究課題の使用額が未執行であったことから,そちらを優先的に使用した.そのため本研究の研究費に余剰が生じた. 研究活動の制限がなくなったことから,海外において学術調査や研究会を開催するため,また,国内の学会や学術交流をおこなうための旅費として使用する.
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