2023 Fiscal Year Research-status Report
近現代日本におけるテロリズムと宗教-加害/被害の両側面とメディアの議論に着目して
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23K00064
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
小島 伸之 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (00449258)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | テロリズム / 宗教 / メディア / 加害と被害 / 特別高等警察 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度においては、『特高月報』の宗教運動取締記事のデータベース化作業と、それに基づく研究会等による研究報告(計3回)行い、報告に対するリアクションに基づいて今後の研究についての基礎的整理を行うとともに、内務省警保局『特高月報』のテキスト化作業を開始した。 研究報告については、主として、従来の研究において指摘されていた特別高等警察による宗教運動・団体に対する警戒傾向・検挙対象の時期的変遷について、記事のタイトルを対象とした計量的分析によって検証することを試みた結果について報告を行った。分析の結果、従来の手作業による分析が基本的に裏付けられたほか、1937年以降、キリスト教系運動・団体への警戒が急速に高まっていくことなど、新たな知見を得ることができた。研究報告のうちの1つは、東京都立大学とシェフィールド大学による国際研究交流会において行い、報告と質疑を通じて第二次世界大戦下のイギリスにおける国家と宗教団体の関係性と日本のそれとの比較の視座を得ることができた。 また、『特高月報』の宗教運動取締に関する記事について関連研究の基礎となる情報共有のためのデータベース化及び計量分析等のため、記事全体をテキスト化する作業を開始し、1935年‐1940年分の記事についてのテキスト化を完了した。次年度以降においては、1941‐1944年分の宗教運動に関する記事のテキスト化を優先的に行い、特別高等警察による宗教運動取締記事のテキスト計量分析を実施していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度においては、研究協力者1名の協力の下、『特高月報』の宗教運動取締記事のデータベース化作業、研究会等による研究報告(計3回)、内務省警保局『特高月報』のテキスト化作業を行った。 5年の研究機関の初年度としては、おおむね順調な研究課題の進捗状況にあると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には、当初の計画通り研究を推進していく予定であるが、次年度においては、『特高月報』の宗教運動の状況の記事のテキスト化と、基礎的な計量分析を行いつつ、近現代日本の宗教とテロリズムに関する事件のデータベース化作業を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究上必要な旅費、『特高月報』のテキスト化に必要な経費等、本務校の教育研究経費など他の研究財源からの支出によって賄った分があり、当初予定より主出が減り、次年度使用額が生じた。 『特高月報』のテキスト化の範囲を広げるなどの対応をする他は、当初の使用計画通り進める予定である。
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