2023 Fiscal Year Research-status Report
1990年代の日韓演劇交流史研究―個人ネットワークを軸に
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23K00226
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Research Institution | Kyoto University of the Arts |
Principal Investigator |
岡田 蕗子 京都芸術大学, 芸術学部, 講師 (40823779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 潤貞 早稲田大学, 坪内博士記念演劇博物館, 助教 (30906566)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 日韓演劇 / 1990年代 / 演劇交流史 / オーラルヒストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、1990年代の日韓演劇交流の実態を、資料収集と聞き取り調査、現地調査を通して明らかにし、その役割と意義を学術的な視点から検証し、日韓演劇交流史の中に位置付けることが目的であり、4年計画をしている。 本年は、まず研究代表者と分担者の間で調査研究の目的と役割分担を確認し、課題の整理と研究計画の見直し等を検討する機会をオンラインで設けた。その後、日韓演劇交流関連資料の収集及び調査を行なった。日本からは97本、韓国からは53本の資料を収集することができた。資料は主に雑誌記事等の二次資料で、調査結果はクラウドで共有して目録に整理をし、一部の資料については、口頭で詳細を共有した。演劇交流を考えるための前段階として、日韓交流自体の資料にも目を通すなど、徐々に調査の範囲が広がった分、どのように収集対象を決めていくのかが課題としてあがった。 令和5年度の成果として、本年の調査をもとに近現代演劇研究会で報告を行った(「日韓演劇交流史記述のための問いかけ―1980年代から2000年代を中心に」近現代演劇研究会、大阪大学中之島芸術センター、2023.12.23)。これまでの調査内容がまとめられ、さらに、参加者の方から貴重な質問や指摘を得ることができ、今後の調査研究を進めていく上でも有益な機会となった。しかし、研究メンバー間において、収集した資料の翻訳及び内容共有が当初の計画には至ってはいないことが反省点として残っている。そこで相互の調査結果を共有するためのオンライン定例会を実施していく方針に変更、これまで2回の研究会を開くことができた。次年度は、引き続き本年度の基礎的研究を行いつつ、聞き取り調査を実施する予定である。それらをもとに、より具体的な考察へと進めていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
互いの本務校での業務が想定以上に増えたことにより、計画を見直し、相互の行き来を控えてオンラインを使った定例会を軸に、互いの調査結果を共有していく方針に変更した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度には、引き続き資料調査を行いつつ、資料の内容を翻訳して、共有可能な形にする。また、令和5年度の調査内容に基づいた発表応募が4月末に台湾の中山大学主催のNSYSU Theatre Arts International Conferenceに採択されたため、9月に口頭発表を予定している。併行して、インタビューの方向性を定め、聞き取り対象を選定し、後期にインタビューの実施を予定している。インタビュー結果は文字化し、資料として整える。
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Causes of Carryover |
予定していた物品購入を来年度にした。また、書籍は選書の段階であり、想定していた旅費はオンライン研究会への切り替えとなったため、不使用となった。また、印刷・コピー費用は、私費払いにした。以上の理由で、次年度使用額が生じている。その残額は令和6年度の国内外調査や成果発表のために使用する予定である。
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Research Products
(1 results)