2024 Fiscal Year Research-status Report
日本統治期台湾林業と植物学ー-ドイツ林学とアメリカ・ロシア植物学の交錯を中心に
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23K00257
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| Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山田 敦 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (80322767)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 美香 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (90331610)
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| Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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| Keywords | 川上瀧彌 / 宮部金吾 / 田代安定 / 金平亮三 / 日本統治期台湾 / 植物分類学 |
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本統治期(特に前期)の台湾林業史において、今まで無視・軽視されていた川上瀧彌や田代安定ら、植物学(植物分類学)者たちの役割を分析することを通じて、台湾林業はどのように植物学を、そして植物学や林学の背景にある欧米の知を受容したのかを、解明するものである。 2024年度は昨年度に続き、明治期くずし字に対応した有料OCRであるTOPPAN社の「ふみのはゼミ」を利用しながら、北海道大学大学文書館の宮部金吾旧蔵書簡の一部である、川上瀧彌の書簡(川上から恩師で植物学者の宮部金吾に送られた書簡)について一通り解読することができた。 その解読成果をも利用しながら、本研究課題と同名の論文である「日本統治期台湾林業と植物学―ドイツ林学とアメリカ・ロシア植物学の交錯を中心に―」を掲載した『植民地帝国日本とグローバルな知の連環-日本の朝鮮・台湾・満洲統治と欧米の知』(思文閣出版、2025年3月、当該論文は220-249頁)を編集者の一人として刊行することができた。課題名(=論文名)そして書名が示す通り、エイサ・グレイに代表される19世紀末のアメリカ植物学と、カール・ヨハン・マキシモヴィッチに代表されるロシア植物学の学知が、宮部金吾から川上瀧彌を介して、あるいは田代安定を介して、日本統治初期の1900年代台湾の統治と林業にどのような影響を与えたのか、そしてその影響は川上の死と田代の退場後の台湾に、どう受け継がれたのかを明らかにすることができた。 研究発表については、2024年8月の台湾史研究会での国際学術大会を含め、研究会で複数回発表して、有意義なコメントを得ることができた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に記した通り、2024年度は川上瀧彌の書簡の解読を順調に進めることができた。また本研究課題と同名の論文を掲載した共編著を、刊行することができた。よって、2023年度の遅れを取り戻し、順調に進展していると評価できる。
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| Strategy for Future Research Activity |
2025年度は研究最終年度として、川上書簡(「研究実績の概要」参照)の読解成果を紀要で公表する予定の他、関連する内容について、研究発表を行う予定である。 2024年度の「実施状況報告書」で問題としていた、「研究計画調書」執筆時には予定していなかった有料版OCRの利用については、一通りの利用が終わったのでTOPPAN社と交渉の上で利用料を大幅減額できることとなった。よって2025年度は(2024年度に見合わせていた)旅費を使用しての追加資料収集を行う予定である。
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| Causes of Carryover |
2024年度の「実施状況報告書」で問題としていた通り、「研究計画調書」執筆時には予定していなかった有料版OCRの利用料(2024年度の年額84万円)を支出する必要があり、その分を考慮し旅費の支出を抑制していたためである。 2024年度は結局、科研費以外の研究費を集めて、半額近くをそれら研究費で支払うことができた。また今年度の「今後の研究の推進方策」に記した通り、今年度は利用料を大幅減額(年額10万円)できた。そのため、2025年度は予算の問題がなくなったので、2024年度に使用する予定であった旅費を、使用する。
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