2023 Fiscal Year Research-status Report
Labeling as viewed from two types of light verbs
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23K00481
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田中 秀和 岡山大学, 社会文化科学学域, 教授 (70750983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 麻衣子 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 講師 (70882306)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 軽動詞 / 省略現象 / 日本語 / 統語論 |
Outline of Annual Research Achievements |
軽動詞に見られる省略可能性について、岡山市内の研究者、および海外の研究者とともに研究活動をおこなった。具体的には
2022年9月に共同研究者である山口とノートルダム清心女子大にて意見交換を行った。verbal nounに格助詞「を」が付く場合とつかない場合の相違点を明らかにした. 2023年4月にOkayama Linguistics Forumにおいて、田中が軽動詞構文で対格を持つverbal nounは内項を残して消えないこと(太郎が自分の計画が成功したと報告をした. 二郎は自分の計画が失敗したと*(報告を)した)を観察し、それに対する理論的な説明を与えた。「を」がつくverbal nounは軽動詞「した」にincorporateされるのではなく、統語的に独立していること、また、内項に付与されるθ役割はverbal nounが付与するものであることを明らかにした. 2023年7月にZas BerlinよりUli SuerlandとKazuko Yatsushiro, 8月にはNorthwestern大学よりMasaya Yoshidaを迎え、軽動詞と省略現象に関する発表を依頼し、意見交換を行った。これらの研究者は省略現象に関心を寄せており、発表に基づいた観点から軽動詞構文についての意見交換を行った. 2024年5月にはSyntaxにこの問題に関連する論文Verb echo answers and ellipsis operations: A reply to Sato and Hayashi (2018)を出版した(https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/synt.12274)。この論文をもとに「Q:太郎が英語を勉強したの?A:したよ.」のようなverb echo answerに見られる軽動詞構文についての考察を深めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究というのはどこに行くのかは当初は不明なところがある。当初は予想していないような問題が突出してきたり、他の研究者が関連する論文を出版したりすることがあるからである。発掘した事実とその概ねな理論的説明は概ね段階を経て進んできている。また、研究成果も発表や論文の形で出している。
Verb echo answers and ellipsis operations: A reply to Sato and Hayashi (2018)を出版した(https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/synt.12274)
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Strategy for Future Research Activity |
今後は以下の二つについて考察を深める。 一つ目は 太郎が何(を)しているの? のようにverbal nounがwh句である場合の統語、もう一点は 太郎が本を見だけした のように取り立て詞が動詞につく構文と、軽動詞構文との類似点を探ることである。
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Causes of Carryover |
海外からの研究者を招致する際に、旅程が元々の計画と合わず、先倒して招致したため
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