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2024 Fiscal Year Research-status Report

A Study of Expressions of Time in Mainland Southeast Asian Isolating Languages

Research Project

Project/Area Number 23K00520
Research InstitutionTokyo University of Foreign Studies

Principal Investigator

峰岸 真琴  東京外国語大学, その他部局等, 名誉教授 (20183965)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 鈴木 玲子  東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (40282777)
上田 広美  東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (60292992)
Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Keywords東南アジア諸語 / 時の表現 / タイ語 / ラオス語 / カンボジア語
Outline of Annual Research Achievements

前年に引き続き,課題の3言語について書き言葉,会話コーパスをもとに機能辞の分析をそれぞれ行った。タイ語についてはウィラット・ソンラートラムワニッチ(武蔵野大学教授)から提供を受けた書き言葉コーパスの会話部分を中心として、主として動詞前に現れる文法形式の分析を行った。昨年度の「未然」に続き,本年度は「将然」の表現に関わる連用詞 kuap, theep, cuan(まもなく)の意味分析を中心に分析を行い,結果について口頭発表を行うとともに,研究ノートを執筆した。また研究の過程で,空間移動を表す動詞pay(行く)、maa(来る)が具体的な移動を意味しない場合について,両動詞が一種の場面設定を意味する場合についての分析を行い,テンスのない言語について時間表現を空間の問題のメタファーとして分析するという着想をするに至った。
ラオ語については、従来「未然」、あるいは「非現実」を表すとされてきた/siQ/について検討し、研究ノートにその内容をまとめた。またラオスで自然会話を録音し、その中で「時」が判断できる要素は何であるか、どうしていつのことであるかがわかるのかに関して現地調査を実施した。
クメール語については,昨年度までに収集した例文をもとに、時を表す表現のうち、接続詞「突然」について調査した結果を発表した。また、昨年度に引き続き、例文検索用コーパスを作るためのテキストとしてクメール語のエッセイの執筆を依頼し、内容の調整を行った。
これらテンスを持たない言語と比較対照することで,日本語にテンスがあるか否かを考察することも,また興味深い課題である。これについては空間認知のメタファーとして時間表現を考察するという着想を得て,2024年度から日本語の分析を開始した段階にある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究課題の3言語についてのコンサルタントからのデータ収集や会話データの収集と分析が順調に進んでいる。研究課題の進捗や予算執行の状況についてオンラインでの打合せを行い,議論した内容の記録・確認をオンライン資源の形で保存、更新している。このように代表者および研究分担者の進めている研究ノートを蓄積することで、研究上の連携を円滑に行っている。
一方、研究の理論的な面の深化については、代表者を中心として,文法的テンスのない孤立語において,テンスに代わる叙述の枠組みをどのように一般化するかの研究を進めている。昨年度は主観的視点と客観的視点という2つの視点を提案し,主観的な一人称視点からの「見え」を中心とした研究を着想し,日本語を例に試論を執筆した(2025年夏公刊予定)。今年度はこの着想を発展させ,時間に先立つ空間認知と視点の関係をメタファーとして時間表現を分析するための考察を進めている。孤立語から着想した時間表現の理論化は,今後の研究進展のための成果である。

Strategy for Future Research Activity

実施計画に従い、研究課題の3言語について,動詞よりも前に置かれる助動詞や時と様態の副詞を含む連用詞と動詞の語義的意味の関係性の分析を引き続き進める。昨年度までは「未然、将然」など,出来事が開始する以前あるいは開始直後を表現する助動詞類および連用詞類の分析を中心に分析を進めてきた。これらの分析を引き続き行うとともに,今年度は,動作の進行・経過から終結,さらには次の場面の展開を表す動詞連続および方向動詞などの分析を行う。これらは動詞よりも後に置かれる語類である。
一方,テンスのない孤立語の理論的研究を深化させるために、孤立語と文法的テンスのある言語との対照研究を進めることも重要である。本研究においては,これまで主観的視点と客観的視点という2つの視点を導入したこと,さらに時間を空間のメタファーとして捉えることによって,テンスを持つ言語との比較対照を試みてきた。これについても引き続きアイデアを発展させ,研究を推進する。

  • Research Products

    (5 results)

All 2025 2024

All Journal Article (3 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] クメール語の時の表現?「突然」を表す場合2025

    • Author(s)
      上田 広美
    • Journal Title

      東京外国語大学論集

      Volume: 109 Pages: 37~50

    • DOI

      10.15026/0002001002

  • [Journal Article] タイ語の連用詞の分析とその理論的背景2025

    • Author(s)
      峰岸真琴
    • Journal Title

      慶應義塾大学言語文化研究所紀要

      Volume: 56 Pages: 357-380

  • [Journal Article] ラオ語の/si?/に関する考察 (研究ノート)2025

    • Author(s)
      鈴木 玲子
    • Journal Title

      語学研究所論集

      Volume: 29 Pages: 1~16

    • DOI

      10.15026/0002001025

  • [Presentation] タイ語の連用詞と時間表現をめぐる考察2025

    • Author(s)
      峰岸真琴
    • Organizer
      東南アジア諸言語研究会
  • [Presentation] 接尾辞的言語としての日本語の統語類型的な特徴について2024

    • Author(s)
      峰岸真琴
    • Organizer
      言語の類型特徴対照研究会

URL: 

Published: 2025-12-26  

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