2023 Fiscal Year Research-status Report
文末形式の談話機能に関する類型論的研究ー日本語と韓国語を中心にー
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23K00538
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
金 善美 天理大学, 国際学部, 教授 (20411069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田窪 行則 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, 客員教授 (10154957)
千田 俊太郎 京都大学, 文学研究科, 教授 (90464213)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 文末形式 / 終助詞 / 終結語尾 / 談話機能 / 韓国語 / 日本語 / 韓国全羅道方言 / 宮古語 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者と研究分担者(計3人)は初年度の2023年度に次のような研究活動を行った。 韓国語方言調査では、研究協力者のイ・ギガプ国立木浦大学校名誉教授の協力により、韓国全羅南道光州市の70代と80代の老年層、及び若年層の方言話者を対象にインタビュー調査を行った。また全羅北道全州市の方言調査では、国立全北大学校のコ・ドンホ教授の協力をいただき、全羅北道全州市の老年層と若年層方言話者を対象にインタビュー調査を行った。具体的には2023年12月27日から2024年1月4日までの間、韓国現地で方言調査を行った。韓国全羅南道方言調査は光州市と潭陽郡で行った。2023年12月28日から30日までの3日間、1回当たり90分ずつ、延べ人数6名(実人数5名:80代2名、60代1名、20代2名)の全羅南道方言話者の自然発話を録音した。また韓国全羅北道方言調査は全州市で行った。2024年1月1日から3日までの3日間、1回当たり90分ずつ、延べ人数10名(実人数6名:70代3名、40代1名、20代2名)の全羅北道方言話者の自然発話を録音した。 研究成果においては、金善美は対照言語学と関連する研究として「日韓対照言語学に基づく誤用分析について」と題する論文を執筆した。田窪行則は『南琉球・宮古語 池間方言辞典 : 西原地区版』を出版した。2022年の版に、共通語から池間方言をひける逆引き索引をつけ、120ほどの語彙の増補を行った改訂版を出版した。さらに「大規模言語モデルと日本語の未来-方言はどうなるか」、「Sentence final particles and mutual knowledge management」と題する招待講演を行った。千田俊太郎は「エスペラントの子音群について」と題する論文を執筆し、「エスペラントから見た言語類型、品詞としての形容詞」と題する招待講演を行う成果があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究計画は、韓国全羅南道と全羅北道の老年層と若年層の方言話者を対象にインタビュー調査を行うことであった。そして2023年度は、当該の地域における現地方言調査を、年度内に行うことができた。よって当初の計画通りにおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究2年目の2024年度には、Kim Jee-Hong教授(韓国国立慶尚大学名誉教授、本人の了承済み)、コ・ヨンジン教授(同志社大学、本人の了承済み)と韓国済州発展研究院のムン・スンドク責任研究員の協力により、老年層と若年層の韓国済州方言話者のインタビュー調査を行う予定である。また2024年度内に韓国語の方言に関する国際シンポジウムの開催を計画している。
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Causes of Carryover |
2023年の夏はまだ新型コロナウイルス感染症パンデミックの影響下にあり、韓国現地への方言調査を行うことができなかった。 2023年の冬にようやく新型コロナウイルス感染症が韓国現地においても落ち着きを見せたため、現地調査を行うことができた。2023年の夏に韓国現地への方言調査ができなかった分、次年度使用が生じた。次年度の2024年度は、夏に本研究テーマと関連した国際シンポジウムを開催し、冬は韓国現地(済州島)への方言調査を計画している。
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