2023 Fiscal Year Research-status Report
Proposal for education to address communication friction caused by unrecognized dialects
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23K00548
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
櫛引 祐希子 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (10609233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠崎 晃一 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (00206103)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 気づかない方言 / 小学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は次年度に実施する全国の小学生(5年生対象)に向けた「学校で使う言葉」のアンケート調査票の作成を行った。 アンケート調査票の作成にあたり、学校で使われる「気づかない方言」についての先行研究を整理した。語彙だけでなく言語行動も含め、様々な「気づかない方言」の実態が報告されているものの、先行研究の多くは成人に対して調査を実施している場合が多く、現在の学校の現状を反映しているとは言い難い研究もあった。そこで現在の小学校の現状を詳細に知るために、小学校の案内や小学校生活の注意事項をまとめた市販の児童書や参考書も調査資料として分析した。 その結果、アンケート調査では《学校で使う道具の名称》、《学校生活で使う表現》、《学校生活の場面で行う言語行動》について尋ねることとした。この調査の結果は次年度に分析する予定である。 また、学校で使われる「気づかない方言」に関する先行研究の整理をもとに、本務校が主体となって作成した教員研修のための動画教材(OKUTEP)の『外国にルーツのある子どもへの日本語指導-生活言語の特徴と指導の方法』において「生活言語としての方言について」の企画・作成を担当した。 この動画教材では各地の学校で使われている様々な「気づかない方言」を具体的に紹介し、「気づかない方言」が日本語の誤用ではなく各地域の文化と密接につながった言語事象であることを解説した。さらに、地域が育んだ文化としての方言を尊重するためにも、教師は学校で使われている言葉が共通語か方言か客観的に把握できるよう知識を蓄え、日本の言語文化に対する見識を広げる必要があることを説いた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
学校で使われている「気づかない方言」の先行研究の整理および小学校の案内や小学校生活の注意事項をまとめた市販の児童書や参考書の分析に予定以上の時間を費やしたため、計画が遅れている。 だが、次年度に実施するアンケート調査票は完成しており、調査協力を依頼する小学校の選定も終了しているため次年度以降は順調に研究を遂行できると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
二年目は、47都道府県の国立大学附属小学校5年生2クラスにアンケート調査を依頼する。基本的に一地域に複数の小学校がある場合は1校に限定するが、広域の地域は2校で実施する。また、大阪については地域内の地域差を検討する事例として複数校に依頼する。 アンケート調査の回収と並行して調査結果をコンピュータを用いて処理する。その後、アンケート調査の結果を協力校にフィードバックするために児童用報告書と教師用報告書(児童用報告書の指導書を兼ねる)を完成させる。 さらに児童用報告書と教師用報告書の結果を広く公開するためのHPを開設し、三年目に実施する研究授業の教材作りを開始する。 三年目は、二年目に作成した報告書・HP・教材をもとに小学校と大学で研究授業を実施する。「気づかない方言」をテーマにした授業を通して「日本語の知られざる地域差に対する洞察力の涵養」「自分にとって馴染みのない方言を使う相手を蔑むことなく尊重できる態度の育成」「自分の方言が通じない状況を乗り越えるコミュニケーション・ストラテジーの醸成」を中心とした方言教育の提案を目指す。
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Causes of Carryover |
今年度に予定していたアンケート調査の実施が遂行できなかったため、予算を次年度に繰り越すこととなった。 次年度はアンケート調査の遂行、それに伴う報告書の作成等で予算を使用する予定である。
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