2023 Fiscal Year Research-status Report
An empirical study of the borrowing process of foreign words in Japanese from the perspective of English and French phonetics
Project/Area Number |
23K00549
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
竹村 亜紀子 神戸大学, 人文学研究科, 人文学研究科研究員 (50597309)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 外来語 / 英語 / フランス語 / 仏語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は英・仏語を用いて知覚実験を行い、日本語母語話者がどのように外国語を取り込むのか、そのメカニズムを捉え、日本語の音の特性を明らかにすることである。外国語の単語を日本語に取り込む際、日本語母語話者が原語の音に基づいて取り込んでいるのか、あるいは形に基づいて取り込んでいるのかは未解明の部分である。そのため語の形は同じでも言語(音)を異にした場合の観点からの検証が必要である。そこで本研究では(1)英語およびフランス語(仏語)由来の外来語の日本語への取り込み方を整理し、(2)英・仏語を用いた知覚実験を通して日本語への借用メカニズムを捉え、日本語の音に関するの特性を明らかにすることを目的とする。具体的には、日本語の外来語に現れる促音(ッ)、長音(-)が英・仏語を使った知覚実験で取り込み方が同じかどうかを調べる。これにより日本語が原語の音を忠実に取り込むという説明が有利に働くかどうかを実証的に確認することが可能となる。 本研究課題の初年度は実態調査による促音・長音の出現環境の整理することであった。これまで日本国語大辞典から英・仏語由来の外来語を取り出し、促音(ッ)の出現環境を整理した。その結果、外来語の語末に位置する子音が /p/、 /t/、 /k/ の場合、英語由来でも仏語由来の外来語でも他の子音に比べて、促音挿入が多いことが明らかになった。しかし、仏語は英語ほど促音挿入が多くない点が挙げられる。また、上記の子音は無声子音であったが、上記の有声子音 /b/、 /d/、 /g/ の場合、仏語由来の語では促音挿入がほぼないことが明らかになった。つまり、英語由来の語に比べると、仏語由来の語は促音挿入が入りにくいことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度の外来語の実態調査は特に促音の出現に焦点を絞って調査を行った。その結果、英語由来の語と仏語由来の語で、促音挿入の割合に違いがあることが明らかになった。 しかしながら、当初の予定であった(1)長音の出現についての実態調査、(2)知覚実験のための無意味語(刺激語)の作成が行われていないため、今後よりスピード感を持って取り組みたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点で遅れが生じている、(1)長音の出現についての実態調査、(2)知覚実験のための無意味語(刺激語)の作成を急ぐと共に、無意味語の音声録音の協力者、実験参加者を募りたいと考えている。 また、上記とは別に、新たにブートストラップ法を用いて、英語由来と仏語由来の外来語に現れる促音挿入の分布を推定したいと考えている。現時点では、データセットが一つしかないが、この方法を用いることで擬似データセットを作り出し、それらのデータセットの中で促音挿入の分布が実態と同じかどうかを確かめたいと考えている。
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Causes of Carryover |
初年度は外来語における促音挿入の実態調査に時間を費やしたため、知覚実験のための刺激語の作成まで行うことができなかった。今後は刺激語の作成に取り組むととともに、刺激語の録音も必要となってくる。 そのため、次年度に刺激語を録音するための機材の購入、録音に協力する母語話者への謝礼、実験調査への参加者への謝礼に使用したいと考えている。 また、初年度の実態調査で明らかになった点を学会等で発表したいと考えているため、学会に参加するための旅費に使用したいと考えている。
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