2023 Fiscal Year Research-status Report
Roles of features on phase heads at Syntax and the Interfaces
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23K00580
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
菅野 悟 東京理科大学, 教養教育研究院神楽坂キャンパス教養部, 准教授 (80583476)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 英語学 / 統語論 / 生成文法 / フェーズ / ラベル付け / 素性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、フェーズ主要部に存在する数素性(number feature)と人称素性(person feature)に焦点を当て、両素性の統語上、および、インターフェース上の役割を解明することにある。本研究のために行われた事前の予備研究では、研究上の有力な指針が得られており、その指針とは、(i) 数素性が格付与に関与すること、(ii) 人称素性が名詞句の透明性の決定に関与すること、(iii) 人称素性が節の定形性の決定に関与することである。これら3点の妥当性を検証するため、本研究は、生成文法の最先端の研究であるラベル理論に基づき研究を進めている。 当該年度は研究の初年度にあたり、データの収集、および、学会発表を中心に進めている。具体的な研究成果として、まず論文は、“Labeling by Agree,”(2024年2月 JELS 41)が挙げられる。また、学会発表としては、 「付加詞節内部からの抜き出しとCPフェーズ」(2023年6月 日本言語学会第166回大会)また、「一致によるラベル付け」(2023年11月 日本英語学会第41回大会)が挙げられる。 また、これらの研究以外に、本研究と関わる発表として、“The Overt Focus Movement to vP Periphery in English”(2023年5月(Satoru KANNO, Tomonori OTSUKA, Ryoichi KONDO, Yuta TANAKA) The 16th ELSJ International Spring Forum)、「言語現象に対する生成文法からのアプローチ」(2023年10月 新潟大学人文学部英語学講演会)、「一致と最小探査」(2024年2月 北海道理論言語学研究会第16回大会)が挙げられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初設定した研究計画におおむね沿って研究が進んでいる。特に、事前研究において収集されたデータに基づく発表や論文等がなされいる。このため、当初の計画通り研究を進めており、また、今後はさらに発展させた内容を、発表、執筆の両方で成果報告ができることが予測されるため、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究においては、次の2点に焦点を当て研究を進めることを計画している。まず、理論的枠組みの形成である。生成文法の議論は進展が早く、また、かなり抽象度が進んでいる。具体的には、近年ではボックス理論と呼ばれる理論が出てきており、この理論的枠組みを考慮し研究を進める。研究の2年目に間にそのような検討を行うことを計画している。次に、学会の発表や論文の作成を進めることを目標とする。依拠する理論的枠組みがどのようなものとなるのであれ、形成された理論がどの程度妥当であるのかは、他の研究者との意見交換により検証する必要がある。このため、積極的に学会での発表や論文の投稿を行うことにより、様々な意見を収集し、より広範囲な言語事実を説明できる理論の形成を目指す。
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