2023 Fiscal Year Research-status Report
英米文学作品と歴史文体論:顔身体表現へのデジタルヒューマニティーズ的アプローチ
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23K00600
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Research Institution | Yasuda Women's University |
Principal Investigator |
高口 圭轉 安田女子大学, 文学部, 教授 (50195658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 拓人 関西学院大学, 商学部, 准教授 (00734477)
田畑 智司 大阪大学, 大学院人文学研究科(言語文化学専攻), 教授 (10249873)
竹下 裕俊 尚絅大学, 現代文化学部, 教授 (20236459)
堀 正広 熊本学園大学, 外国語学部, 教授 (20238778)
冨村 憲貴 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (40595980)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 顔身体表現 / 英語表現史 / 通時的研究 / 共時的研究 / 英語文体論 / コーパス言語学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、平成28年度から30年度まで、及び令和元年から令和4年度まで採択された科研費のもとで行ってきた研究課題をさらに深化・発展させるための研究である。採択された科研費によって、英米文学作品の顔身体表現に焦点を当てた歴史的文体研究に関する研究事例をまとめ、英文による論文集(A Chronological and Comparative Study of Body Language in English and American Literature、2018、開拓社)を出版した。本研究の目的は、この業績を踏まえて、顔・目・手・視線・仕草・動作などの顔身体に関する英米文学作品における描写の慣習と創造性を共時的・通時的視点から追求し、英語表現史研究の体系的な枠組みと顔身体表現の機能を明らかにし、この分野における日本で最初の研究書を出版することである。 本研究では、定期的に発表会や打合せを行い、一貫した分析方法が維持されるように配慮している。令和5年度は、令和5年9月と令和6年3月の2回研究会を開催するつもりであったが、9月開催予定の研究会に関しては校務等ため日程の調整ができず、ネット上での情報共有を行った。対面で実施した研究会としては、2024年3月20日(水)、安田女子大学において、研究代表者・研究分担者・研究協力者6名が参加して研究発表会を開催した。研究会では、研究分担者(堀正広)が Giuseppina Balossi (2014) の書評を行い、その後、参加者全員が各人のBody Language研究の進捗状況について報告し、各人の分析内容・分析方法等について議論した。また、本研究会では、日本英文学会中国四国支部の支部大会(2024年11月2日(土)・3日(日)開催予定)において、Body Language研究に関するシンポジウムを開催することを申し合わせた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、14世紀から19世紀までの英米文学史上の主要な作家を専門とする研究者による協働研究であり、定期的に発表会及び打合せを行い、一貫した分析方法が維持されるように配慮している。当初令和5年9月に開催を予定していた研究会は開催できなかったが、令和6年3月20日(水)に、研究代表者・研究分担者・研究協力者6名が参加し、対面による研究発表会を実施した。研究会では、各人が担当する文学者や作品に見られる顔身体表現の用例を紹介するとともに、全員でそれぞれの研究発表に対してコメントをつけ、批評し合うことができた。それによって、各人の研究の問題点の洗い出し、その解決法の模索・提案、新たな視点からの再分析などを行うことができたように思われる。 研究成果は、各人が学会やジャーナル、書籍等で発表している。また、令和6年3月に開催した研究会では、令和6年11月2日(土)・3日(日)に開催予定の日本英文学会中国四国支部大会において、研究代表者・研究分担者・研究協力者5名によってBody Language研究に関するシンポジウムを実施することを決定し、本シンポジウムを開催することの意義や内容、参加する司会者や講師の人選等に関する議論を行った。このシンポジウムを通して本研究課題の研究内容の一端を公に示すとともに、このシンポジウムを英米文学における顔身体表現に関する研究書出版の足掛かりとすることを申し合わせた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も定期的に発表会・研究会や打合せ会を開催し、それぞれの研究内容の要旨を発表し、対等の立場で議論する。本研究は、協働研究という研究手法を取るものであるので、頻繁な議論および互いに学び合うという研究姿勢を維持していく。発表会では、研究代表者・研究分担者・研究協力者全員が発表を行い、それぞれの発表に対してコメントをつけ、批評し合う。こうすることによって、各人の研究の問題点の洗い出し、その解決法の模索・提案、新たな視点からの再分析などを行っていく。研究者が対等に意見を交わし、各研究者の担当分野に特徴的な表現が、他の対象分野ではどのように用いられているのかなどを比較検討することによって、英米文学作品における包括的で通時的な身体表現の研究を行うことができるであろう。 このような発表会・研究会での議論や得られた知見を踏まえて、今後も各自が所属する国内外の学会やジャーナルおいて、本研究課題についての発表を引き続き行っていく。 令和6年度は、特に、令和6年11月2日(土)・3日(日)に開催予定の日本英文学会中国四国支部大会において開催するBody Language研究に関するシンポジウムに向けて、令和5年度以上の頻度で研究会や打合せ等行うつもりである。また、必要に応じて、ウェブ会議システムZoomや他のWeb会議アプリケーションを用いて、オンラインでの研究会の開催を検討する。
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Causes of Carryover |
令和5年度は、令和6年3月20日(水)に対面による有意義な研究会を開催できたが、複数の研究者が校務等のため日程の調整がつかず、当初開催を予定した9月の研究会を開催できなかった。そのため、予定していた旅費等を支出できなかった。 令和6年度は、令和5年度助成金の残額と令和6年度の助成金を合わせて、研究のために必要な機器等の購入費、顔身体表現に関する研究書の購入費や関連する学会に参加するための旅費、さらに協働研究の効果を高めるための発表会及び打合せ会の開催、及びそのための旅費として使用するつもりである。 特に、令和6年11月2日(土)・3日(日)に開催予定の日本英文学会中国四国支部大会において開催するBody Language研究に関するシンポジウムに向けた研究会や打ち合わせを複数回行うつもりなので、そのための旅費を令和5年度以上に使用する予定である。
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