2023 Fiscal Year Research-status Report
共調整学習を足場掛けとした自己調整学習の支援モデルの確立とその検証
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23K00711
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
池田 真生子 関西大学, 外国語学部, 教授 (00425323)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 自己調整学習 / 共調整学習 / 学習者要因 / 授業環境 / 学習記録 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、(1) 授業内で他の学習者との学び合い(共調整学習)を経験することにより、授業外での自己調整学習がどのように変容するかを調 査すること、そして (2)長期休暇で共調整学習のない期間や留学などの、学習環境の変化にともない、学習者の自己調整学習が更にどのように 変容するかを、長期的に調査することである。当該年度は、基礎研究フェイズとして、まず、共調整学習の場となる授業の環境と学習者要因(楽しさ、不安、Willingness to Communicate: WTC、メタ認知方略の使用、Grit、Mindset)の関係性を質問紙により調査し、国際大会において発表し、論文を執筆した(投稿準備中)。 また、自己調整学習能力 の育成に必要といわれている学習方略や動機づけ、自己効力感の 向上などの指導を、先行研究にもとづきおこなった。さらに、学習者同士がそれぞれの授業外学習について悩みや成功例を共有する場を授業内で設け、授業外での自己調整学習に授業内での共調整学習を結び付けた。その結果、学習者の授業外での自己調整学習がどのように行われて(あるいは行われずに)いくのかを、毎週の学習記録をオンラインで収集した。学習者の自己調整学習に関する認識については、共調整学習を実施する事前および事後に、質問紙にて調査した。 授業期間が終了した後も、オンラインの学習記録による観察を継続し、(a) 授業内での共調整学習がなくなった環境で、自己調整学習がどのように変容するのか、(b)さらに自己調整学習環境が国内から国外留学に変わった場合に、どのように変容するのか、を継続して追跡中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
質問紙調査を実施し、国際大会にて発表することができた。論文執筆は、雑誌掲載まではできなかったももの、投稿準備段階まで終えることができた。また、共調整学習を授業内で実施し、自己調整学習に関する学習記録データも、長期間に渡り収集することができ、現在も継続することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
学習記録データの分析を進める。また、国外留学中であるデータ収集協力者とも定期的に連絡をとり、分析データの補足をオンラインによるインタビューなどで進める。 さらに、自己調整学習の方略とGrit、Mindsetなどが、学習者の学習達成度とどのように関係するのかについての調査も進め、国際大会にて発表する。
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Causes of Carryover |
物品費で購入を予定していた質的分析ソフトを、当該年度に購入しなかったため、翌年度に購入する計画である。また、旅費については、研究打合せで計上していた研究打合せがオンラインに変更となったため、翌年度の研究成果発表にて、使用する計画である。
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