2023 Fiscal Year Research-status Report
コンピテンシー・ベイスの小学校英語科教育方法に関する実証的研究:韓国の実践から
Project/Area Number |
23K00752
|
Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
伊藤 静香 帝京平成大学, 人文社会学部, 准教授 (10761265)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
Keywords | 小学校英語教育 / 教科教育法 / コンピテンシー・ベイス / 韓国の英語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
資質・能力の育成を基盤とするコンピテンシー・ベイスの教育改革により、各教科における指導方法の見直しや転換を見据えた授業実践に関する研究の重要度は高まっているといえる。日本の小学校英語教育の授業実践は、高学年の教科化に伴い、従来の英語に慣れ親しむ内容から4技能の育成を重視する活動に力点が移動したことで、指導方法の諸側面から課題が提起されている。こうした現状からも、小学校英語教育における実践研究については、コンピテンシー・ベイスの観点に基づいた教育方法を具現化するための視点を加える必要がある。 本研究は、韓国の初等学校英語科における授業実践研究を通して、コンピテンシー・ベイスの小学校英語科の授業実践を効果的に進めるための指導方法について基本モデルを構築することを目的としている。初年度は、コンピテンシー・ベイスの教育方法および小学校英語科教育方法に関する先行研究の収集を行い、コンピテンシー・ベイスの英語科教育実践を構築する要素と理論的枠組みについて検討した。また、韓国の初等学校英語科授業実践に関する事例研究から4技能の育成に重点化した指導方法について、コンピテンシー・ベイスを基盤とした指導方法導入の視点からの検討も併せて行った。年度の後半に実施した予備調査では、韓国の小学校を訪問し、実践に関わる教員との意見交換を通じて韓国の小学校英語教育の現状について情報提供を受け、実際の授業データを取得した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度である本年度は文献研究を中心に進め、研究協力者を通じて韓国での予備調査が実施できた。予備調査では、韓国の小学校(初等学校)を訪問し、本研究のベースとなる授業データの収集を行った。また、英語科の授業実践を担う教員から韓国の小学校英語教育の現状について情報の提供を受け、授業の構成および4技能に関わる指導法の導入の観点から意見交換を行ったことで、授業分析の基盤となる枠組みの検討において手がかりを得られた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまで得られた基礎データをもとに、文献研究と並行してコンピテンシー・ベイスの小学校英語科の授業実践研究において軸となる授業分析に関する枠組みを導出し、検証を行う。引き続き韓国の研究協力者を通じて、韓国の予備調査で訪れたエリア以外の韓国国内の小学校を訪問し、小学校英語科の授業実践から授業分析に必要なデータ収集を行い、分析と検討を進める予定である。
|
Causes of Carryover |
文献研究に必要な洋書について、年度内の入手が不可能となったことと、韓国現地での購入を予定していた教科書と教材の購入ができなかったために次年度使用額が生じた。韓国での実地調査に関わる費用と併せて、引き続き文献資料収集のための費用として用いる。
|