2023 Fiscal Year Research-status Report
インクルーシブ教育理念を礎とした小学校英語誘掖型マルチセンサリーウェブ教材の開発
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23K00755
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
淺間 正通 東洋大学, 人間科学総合研究所, 客員研究員 (60262797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前野 博 至学館大学, 健康科学部, 教授 (00369597)
志村 昭暢 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (60735405)
田村 敏広 静岡県立大学, 国際関係学研究科, 准教授 (90547001)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 学校外英語学習経験 / 小学校入学前英語学習歴 / 四技能連携ウェブ教材 / CLIL型英語教育 / インクルーシブ教育 / 英語検定教科書 / 語彙習得 / 学力差緩衝スキル |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は研究の初年度であることから、研究計画調書に記した研究ステージ1「教科『英語』スタートアップ時における児童の英語学習背景および学力差の調査」を実施した。調査にあっては、新型コロナウィルス感染症が大幅に収束傾向にありながらも多くの学校に未だ警戒感が強く、直接訪問でのアンケート実施は1校に留まったため現場教師へのヒアリングを主軸としたが、未だ質問紙によるアンケートは継続実施中である。しかし、直接アンケ―ト実施校は1校となりはしたが、傾向を知る上での貴重な資料を得ることができた。具体的には、地方の実態を把握する手がかりを得たい意図から静岡県下の公立小学校での実施となった。アンケートは20項目から構成されているものであったが、最も着目したのは「小学校に入る前に英語の学習をしたことがありますか?」の問いである。結果、5年生70名中53名(75%)がNo.であったことから、地方の実情の片鱗が窺えた。当該校が比較的県下でも過疎地に立地することを考慮したとしても、都市部で幼児段階から私塾や幼稚園での正課・課外等で早英語に児童たちが触れてきている現状と比較すると、保護者の経済状況・地の利・周囲の英語教育に対する理解など諸々の理由による格差が生じている点が窺えた。また学力差の調査に関しては、現場教師たちへのヒアリング結果として、英語学習歴の差によってスタートアップ時に端から開きが生じている点は多くの教員が認識しつつも校内実施する統一テストでは大きな差が見られない点の指摘をする者が多かった。検定教科書準拠の学習における形成評価では測れない潜在的英語学力差の問題に関する意識を先鋭化させられた。なお、本調査に係る現在の小学校英語の課題については、2023年9月2日にNHK Eテレ「すくすく子育て『英語 はじめなくちゃダメ?』」に専門家として出演した際に概況披露した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度研究にあっては、小学生の英語学習の背景について調査を実施し、各種文献調査および実際のアンケート調査を実施することで現状把握について一定の結論を導くことができたのは幸いであった。ただし、直接訪問によるアンケート実施調査校の母数にあっては、現段階では圧倒的に不足していることから、継続して調査に従事しているところである。また、研究初年度では、スタートアップ時における英語学力差の調査も実施したが、コロナ禍の影響を受け、未だ部外者による現場での調査が実施困難であることから、現場教師へのヒアリングに留まり、客観的な実データの入手が達成できていないのは些か残念な点である。次年度は、この学力差の実データについて、よりデータ入手しやすい語彙力測定の観点に立って、現場教師への協力依頼を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、スタートアップ時における英語学力差を後のウェブ教材学習にて緩衝できるようにすることを旨としているため、「現在までの進捗状況」欄で指摘した英語学力差の実態解明が必要となる。そこで、2年目にあっては児童の潜在的語彙力格差を中心にその実態解明を図る予定である。また、本研究ではインクルーシブ教育の理念を応用した小学校英語誘掖型マルチセンサリーウェブ教材開発を最終的な目的としていることから、インクルーシブ教育に関わる周辺知識を得るために2回にわたって長崎総合科学大学医療工学コース視察を行った。そこで、視察で得られた知見を、特に視覚や聴覚などに障害を抱える児童をも含めた小学校英語の4技能に主体的に関わらせるための留意点が明らかとなったので、今後のマルチセンサリーウェブ教材開発にイラスト付きフォニックスやアメリカ手話(ASL)の視点を参考にCLIL(Content and Language Integrated Learning)型の英語学習用ウェブ教材を応用開発してゆく予定である。
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Causes of Carryover |
7月にフィンランドの研究者との研究交流を予定していたが、当該研究者がコロナウィルス感染症に罹患したため、急遽取りやめとなり、外国旅費に関して予算執行が果たせなかった。よって2024年9月に繰越額を使用して再度訪問の計画を立案中である。
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