2023 Fiscal Year Research-status Report
ICT活用によるインプット増強を基に児童が自主的に読むことを可能とする教材開発
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23K00778
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
東野 裕子 日本体育大学, 児童スポーツ教育学部, 教授 (20781686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高島 英幸 東京外国語大学, その他部局等, 名誉教授 (40128434)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | ICT / インプット / 読むこと / 教材開発 / 英語絵本 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,小学校第5・6学年の外国語科において,① ICTを用いて児童の個人の力や興味・関心に応じたインプット増強により,自主的に読むことのできるシステムを開発し, ② 当該システムの活用による英語力の伸長を検証することにある。 具体的には,ICTを活用し「読むこと」に必要な英語を聞くことでインプット量を増やし,児童が主体的・自主的に「読むこと」が可能となる教材と自学システムを開発する。 2023年度・2024年度は、① 語彙・英語表現の分析及び選定,② 絵本,段階別絵本(GRs)の選定,③ 読む練習のための教材文の作成,④ 練習システムの構築することとした。 このうち,2023年度は,まず、検定教科書を中心に語彙・英語表現,場面の分析と② 英語絵本,段階別絵本(GRs)の選定を行った。語彙・英語表現の分析においては,検定教科書7社の語彙と英語表現を使用場面や機能などで整理した。次に,検定教科書の語彙,英語表現を参考に英語絵本及び段階的絵本(GRs)を選定した。 絵本選定に当たっては,言語材料の視点から,検定教科書の語彙や英語表現と同じもの,あるいは発展的に扱えるものとした。 さらに,検定教科書と関連する場面のあるものなどを選定した。今後の教材化,自学システムの構築を考える際に,児童の理解を助ける日本語訳が必要となることを見通し,日本語訳が出版されている英語絵本を中心に選択し,バイリンガルでの指導についての可能性も探った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度においては、以下の4つの課題が解決できている。 ① 語彙・英語表現,場面の分析と英語絵本,段階別絵本(GRs)を選定した。語彙・英語表現,場面分析では,全7社の検定教科書の語彙・英語表現を場面ごとに分類し整理した。 ② 英語絵本,段階別絵本(GRs)選択における教材に使用予定の絵本の語彙と場面,文法構造,英語表現などを整理した。 ③ 日本語訳が出版されている絵本における英語と日本語の表現の違いについての調査した。 ④ 今年度の研究成果(英語学習への英語絵本の活用や語彙・英語表現の分析結果など)について,私立初等学校の研究会・研修会や台湾・台中市のセミナーにおいて小学校英語科教員と情報共有をした。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は,2023年度の語彙・英語表現の分析や英語絵本などの選定を受け,① 読む練習のための教材文の作成,② 練習システムの構築を予定している。また,小学校検定教科書が改訂となるため,変更された単元について追加分析をする。2024年度に出版される検定教科書は全6社となる。 2025年度は,2024年度に作成した練習システムを組み込んだ,① 授業実施とインプットの効果の検証を行う。公立小学校及び私立小学校の英語の授業において,開発した教材を一定期間試行(使用)し,開発したシステムを活用した活動を行う。授業後に「読むこと」の調査(テスト)などを行い,この授業実施を通して,ICTを活用したシステムを使った練習の効果を検証する。同時に授業前と授業後に同じ質問のアンケートを実施し,児童の英語学習への意識の変化を探る。検証結果・アンケート結果を参考に,② システム内の練習語彙や文章などを修正し,再度,検証授業を実施し,③ 修正された授業で得られた結果を分析する。 2026年度は,2025年度の実験授業の結果を踏まえ,① 研究結果を国際学会(Cam TESOL)で発表し,システムや学習効果,児童英語学習への意識の変化について議論し総括する。また,② 作成した教材文の冊子と練習システムを無料ソフトとして,希望する小学校へ配布・配信する予定である。
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Causes of Carryover |
当初の計画では,2023年度に研究アドバイザーとの国際会議を持つこと,また,国際学会に参加する予定であったが,研究内容や研究アドバイザーの都合等により,2024年度に持ち越すこととなった。そのため,次年度使用額が生じた。
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