2023 Fiscal Year Research-status Report
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23K00801
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大久保 由理 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 特任研究員 (20574221)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 日本帝国 / 大東亜共栄圏 / 南方国策移民 / 人材養成 / 植民地間移動 / 沖縄 / 台湾 / 沖縄拓南訓練所 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「大東亜共栄圏」建設のための人材を養成し東南アジアへと送出した1940年代の南方国策移民政策が、両義的な立場に立たされた沖縄や、植民地であった台湾ではどのように実行され、南方占領地へ送出されたのか、その人材養成の内容と植民地間移動の動態を検討することである。 2023年度は沖縄、なかでも沖縄拓南訓練所に焦点を当てて研究を進め、すでに収集していた公文書や雑誌史料、新聞などを分析し、研究発表と論文執筆を行った。具体的には、植民地間移動としての沖縄―東南アジアを理解するための基本的枠組みとして、単著を中心とした研究報告を2回(国際学会1回、国内研究会1回、ともに英語)、沖縄拓南訓練所に関する英語論文草稿をもとにした研究発表を1回(英語)で行い、ディスカッションペーパーとして出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は、2月に出版した単著に関連したシンポジウムへの登壇依頼が2件あり、単著で示した「南方国策移民」という枠組みに関する研究や研究発表へのエフォート率が高くなった。このため、沖縄拓南訓練所に関する論文は、ディスカッションペーパーとしてまとめたものの、学術誌投稿までには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、まず沖縄拓南訓練所に関するディスカッションペーパーを修正し、学術誌へ投稿する。その後、台湾の拓南工業戦士訓練所・農業戦士訓練所・桔梗倶楽部への史料収集および分析をすすめる。台湾(国立政治大学・中央研究院など)においても研究発表を行い、台湾の日本研究者と意見交換を行うことで、研究を推進していきたい。
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Causes of Carryover |
残額が5000円以下であるため、必要な学術書購入を断念して次年度物品費へ繰越した。これにより、効率的に書籍を購入することが可能になる。
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