2023 Fiscal Year Research-status Report
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23K00810
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Research Institution | Seisen University. |
Principal Investigator |
福留 真紀 清泉女子大学, 文学部, 准教授 (60549517)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 徳川幕府 / 将軍側近 / 徳川綱吉 / 徳川家治 / 徳川家斉 / 水野忠友 / 水野忠成 / 松平定信 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、人的ネットワークから見る徳川幕府の政治構造の本質について、5代将軍徳川綱吉、10代家治、11代家斉政権期において、研究成果を挙げることが出来た。 まず、5代将軍徳川綱吉政権期については、茨城県立歴史館において、綱吉の側近牧野成貞について、上田市立博物館(長野県上田市)において、同じく綱吉の側近松平忠周についての史料調査を行った。10代家治、11代家斉政権期については、天理大学附属天理図書館(奈良県天理市)において、松平定信に仕えた白河藩家老服部半蔵による「世世之姿」の調査を行った。加えて、家治の側近水野忠友、および家斉の側近水野忠成について、沼津史談会歴史と文化のまちづくり塾(静岡県沼津市)において、「水野家の復活①ーー忠友の時代」「水野家の復活②ーー忠成の時代」、一般財団法人社会保険協会えびす大学で「田沼意次と松平定信」と題して講演を行い、研究成果を一般に紹介した。また、寛政期の政治をめぐる人的ネットワークについては、「寛政改革期の目付についての一考察ー「風聞」をめぐってー」(『清泉女子大学人文学研究所紀要』第45号)を発表した。なお、本論文の執筆の過程で、岡山藩研究会と幕藩研究会で研究報告を行った。 ほかに、江戸時代全体を通しての将軍側近の変遷について、かねさは歴史の会(横浜市金沢区)で「徳川政治における将軍側近」の題で講演し、これについての書籍の執筆を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、所属研究機関が変わったため、申請時の予定より、出張の場所を変更することとなった。しかし、2025年度以降の調査予定だった天理大学附属天理図書館の調査を先に進めたことなどにより、研究の進行に成果があった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究内容についての変更点は無い。江戸時代全体を通しての将軍側近の変遷について、今年度は、かねさは歴史の会(横浜市金沢区)で「徳川政治における将軍側近」の題で講演し、書籍の執筆を進めているが、来年度に刊行する予定である。あわせて、史料調査もすすめる。 また、これまでと同様に、研究論文執筆や学会・研究会での報告、講演など、研究成果の公表に努める。
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Causes of Carryover |
(理由)次年度使用額が生じたのは、今年度から、清泉女子大学に異動したことにより、申請時に計画していたスケジュールや環境とは、異なる状況になったためである。出張先や回数、購入予定のものに変更が生じた。 (使用計画)全体の研究計画についての変更はないため、次年度以降、出張先の順番が変わるだけで、計画通り進めていきたい。2024年度は、天理大学附属天理図書館(奈良県)の「世世之姿」の調査を進めながら、将軍側近に関する書籍の刊行をめざす。
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