2023 Fiscal Year Research-status Report
近世畿内大規模豪農の金融業と身分に関する基礎的研究
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23K00860
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Research Institution | Mitsui Bunko |
Principal Investigator |
萬代 悠 公益財団法人三井文庫, 社会経済史研究室, 研究員 (00755093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山澤 学 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (60361292)
志村 洋 関西学院大学, 文学部, 教授 (90272434)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 近世畿内 / 豪農 / 金融 / 身分 / 田安徳川家 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度においては、アルバイト4名を雇用し、「外山家文書」(筑波大学大学院人文社会科学研究科蔵)を整理する作業から開始した。「外山家文書」は段ボール箱70箱に及ぶが、まずは20箱を筑波大学から預かり、茶封筒から中性紙封筒に入れ替えつつ目録を作成する作業をおこなった。目録作成にあたっては、表題や作成年月日だけでなく、作成者や宛先の人名を漏らすことなくすべて記入し、参照の利便性を高める工夫をほどこした。この作業の結果、17箱、388点の整理を完了した。 17箱のなかには、検地帳や名寄帳、年貢米勘定帳などの基本台帳はもちろん、収納年貢の量と内訳を示した年貢皆済目録類、戸籍簿に相当する宗門改人別帳が数多く現存し、これらは外山家とその居村の基礎的情報を解明する重要な史料として期待できる。一方で、外山家が所有、管理した多数の新田に関する史料も多くみつかり、今回の整理を通して新田への投資家としての性格をも明らかにできることがわかった。 本研究で重視する金融業については、外山家が関宿藩久世家や尾張藩徳川家に融資した記録や、尾張藩の要請を受けて資金調達に従事した記録を確認することができた。外山家は尾張藩の公金貸付にも関与していたようで、これは資産運用の経路として今後解明していくべき重要な課題である。のこり53箱のなかには融資関連史料も多くあると思われ、外山家が諸領主とどのように金融関係を持ったのかを検討することができるはずである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アルバイトを複数人雇用し、「外山家文書」の段ボール箱、全70箱のうち17箱を整理することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度には、アルバイト雇用人数を増やし、目録作成と撮影をより進める予定である。
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Causes of Carryover |
本年度では「外山家文書」の整理がまだ初歩段階であったので、分担研究者を集めて議論することが叶わなかった。来年度から分担研究者を交えて議論する予定であるので、その出張旅費などにあてられるはずである。
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