2023 Fiscal Year Research-status Report
エジプト、ハルガ・オアシスにおける古代の水利事業の解明
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23K00886
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Research Institution | Doho University |
Principal Investigator |
古川 桂 同朋大学, 文学部, 講師 (50806487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 智章 中部大学, 国際関係学部, 教授 (90469627)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | ハルガ・オアシス / カナート / 古代エジプト / アル・ザヤーン / ペルシア / ローマ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題はハルガ・オアシスにおける古代エジプトの神殿と水利施設の関連性を検討し、水資源開発や水管理を明らかにすることである。研究初年度である2023年度は、ハルガ・オアシスに関する調査報告書を中心としたこれまでの研究成果の収集および精査を行なった。 9月にイギリス・ロンドンで開催されたダクラ・オアシス・プロジェクト国際会議に参加し、ダクラ・オアシス、ハルガ・オアシスにおける近年の調査状況を把握した。ハルガ・オアシスにおいて新たな神殿の発見や未発掘の神殿遺構の存在が示されたことにより、オアシス内の水利施設と神殿の配置について再検討する材料が得られた。また、ロンドン大学考古学研究所において文献調査を実施し、主にハルガ・オアシス南部にあるアイン・マナウィル遺跡のカナートに関する調査研究の成果を入手することができた。 これらの調査報告をもとにハルガ・オアシス内にみられる古代の水利施設に関する情報の抽出を進めた。特に比較的報告が為されている北部・南部の水利施設を中心に進めた結果、水利施設の形状や規模、方向性など、地域ごとの特徴が見出され、南北100km以上にわたるハルガ・オアシスにおいて水利施設のあり方が一様ではないことが明らかになった。 また、ハルガ・オアシス内の水利施設の分布を明らかにすべく、衛生画像を用いて古代の水利施設であるカナートを探査し、これまで確認されていないカナート趾と思われる複数の構造物を判読した。これらのカナート趾をマーキングし、次年度の踏査ポイントとして決定した。 1月には慶應大学で開催されたRound Table: Religion, Economy, and Imperial Power in Premodern Egypt and Beyond にて、ハルガ・オアシス中部のアル・ザヤーン神殿調査についての報告し、意見交換を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ハルガ・オアシス北部の調査報告書の購入から入手までに時間を要したこと、また9月の渡英までハルガ・オアシス南部の調査に関する文献の入手が困難であったことが挙げられる。当初予定になかったダクラ・オアシス・プロジェクト国際会議のへの参加が9月であり、これに合わせて渡英したため、文献調査の時期が遅れてしまったことも挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
収集した調査報告書から各遺跡の水利施設と神殿、住居趾、農地などの情報を抽出し、各施設の建設時期や使用期間、施設のサイズや方向などを入力したデータベースを作成し、時代ごとに分類して地図上に表示する。これまでに確認されているカナート趾と2023年度に衛生画像でマーキングしたカナート趾を合わせたカナートマップを作成し、これに基づいて2024年度は踏査を実施する予定である。ただし、ハルガ・オアシスでの現地調査は国際情勢や現地の治安の状況により履行が困難になる可能性があり、その場合はより精度の高い衛生画像の購入し、画像分析によってカナートの存在を確認する。
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Causes of Carryover |
国際情勢やハルガ・オアシスの治安状況が安定しないため、2024年度の現地調査が実施できるか否かが不明であったことから現地調査用に購入予定であったGPSやフィールドワーク用のノートPCの購入を控えた。調査実施が可能と判断すれば、これらの機材を購入する予定である。
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Research Products
(2 results)