2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23K00895
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
合田 昌史 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (60202074)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 大航海時代 / タペストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、大航海時代の3つの戦争タペストリーシリーズのなかに「自他像」の表出と変遷を見いだすことにある。とくに5年度はポルトガル領インド総督ジョアン・デ・カストロによるインド西岸の戦勝(1546~47年)を描いた『ジョアン・デ・カストロの勝利と凱旋』10編(ブリュッセル、1560年頃、ウィーン美術史博物館所蔵)に関する研究を進めた。まず、研究の前提として主要な先行研究の収集と読解を行った。1993年に所蔵先のウィーンで出版された図録と1995年にリスボンで出版された図録を入手し、それらに収録された諸論考を読み込んだ。これらは現在でも同タペストリーシリーズに関する研究の必須文献である。近年では歴史家セルジオ・マスカレーニャス・デ・アルメイダによる研究が傑出している。そこで、アルメイダによる2編の専攻論文(2012年、2016年)をとりよせ、読み込んだ。 同シリーズの解読にはシリーズが描く戦役とその背景に関する知識が必要である。そこで、同戦役の中心であったジョアン・デ・カストロに関する史料集成(4巻、コインブラ、1968~81年)を取り寄せ、読み込んだ。また、戦役の背景を理解するにはポルトガル領インドとグジャラートなどインド西部諸国との関係性を把握する必要がある。そこで、K.S.マチューの『ポルトガルとグジャラート・スルタナート』(1986年)とD.サルガオンカルの『ゴア、果てのないアパランタ』(2008年)などを入手し、読み込んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、夏季休暇を利用して。『ジョアン・デ・カストロの勝利と凱旋』10編を所蔵するウィーン美術史博物館に出張してタペストリーの調査を行う予定であった。しかし、8月に前立腺手術・入院を余儀なくされ、9月には新型コロナに罹患して静養した。また。3月には定年退職に伴う身辺整理に忙殺された。そのため5年度中の海外出張を断念し、文献研究に専念することとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
5年度に果たせなかったウィーンへの出張で、タペストリーの調査を行い、やや遅れ気味の研究の進捗を図る。また、可能であれば、ポルトガル王アフォンソ5世のモロッコ遠征(1471年)を描いた『アシラー・タンジール征服」』4編の所蔵先であるスペインのパストラーナ博物館、あるいは皇帝カール5世のチュニス遠征(1535年)を描いた『チュニス征服』12編の所蔵先であるマドリード王宮へ出向いて調査したい。
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Causes of Carryover |
健康上の理由で海外出張による調査を断念したため、予定を変更した。次年度における海外出張費の一部に充てる予定である。
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