2023 Fiscal Year Research-status Report
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23K00916
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
野崎 貴博 岡山大学, 文明動態学研究所, 助教 (40284054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 弘之 岡山大学, 社会文化科学学域, 准教授 (30877808)
パク ミンジョン 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80881094)
山口 雄治 岡山大学, 文明動態学研究所, 助教 (00632796)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 旧日本陸軍第十七師団 / 岡山大学津島地区 / 三次元計測 / 古写真 / レンガ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、第十七師団駐屯地内にのこされた建物・施設・遺物の記録を作成し、基礎的な研究を積みあげることである。本年度は主として陸軍建物・施設等の三次元計測、古写真の解析を実施した。文献史料の収集、レンガの成分分析については、新資料の保有者との連絡や、レンガ資料の採取をおこない、次年度以降の作業につなげた。 三次元計測は、建物・施設・記念物で実施した。撮影・計測機器として、デジタルカメラ・ドローン・SLAMを用いた。計測した建物は、現存するレンガ造り建物3棟すべてと国登録有形文化財となっている司令部衛兵所建物の計4棟である。施設はコンクリート高塀1か所、記念碑は軍人勅諭下賜50周年記念碑1か所を計測し、解析のための情報を取得した。なお、レンガ造り建物のうち2棟では、ツタや周辺植栽などで建物全体が覆われていたため、計測にあたってこれらを除去した。建物やコンクリート高塀は、高さのある長大な大型構造物であり、その計測にあたってはSLAMとドローンが有効であった。 駐屯地造営時古写真の解析では、撮影方法、撮影地点、撮影年についての分析が進み、その成果は岡山大学文明動態学研究所オンライン研究セミナーで報告した。 レンガについては、次年度以降の分析に備え、3地点において資料となるレンガの採取を行った。これにより、刻印レンガのバリエーションと安定した分析に必要な数量の確保ができた。 新資料の探索についても進展があった。古写真・古記録保有者との連絡を新たに開通することができた。また、新たに発見された第十七師団駐屯地建物配置図についての情報を取得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第一に、当初計画していた通り、建物やコンクリート高塀といった、計測の難易度が高い大型構造物の計測をすべて完了したことが挙げられる。これにくわえ、次年度以降の計測を計画していた小型の記念碑1基も計測することができた。 第二に、新資料の発見があり、その資料にアクセスする目途がついたことがある。 以上を鑑み、おおむね順調に進展していると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
建物・施設・記念物の三次元計測については、2023年度に測定した成果から三次元画像を作成する。あわせて小型の記念物についての計測・記録を進める。また、異なる測定機器での成果の差を比較する。古写真の解析については、駐屯地内の建物の分類や配置などを中心に進める。さらに新たに発見された第十七師団駐屯地建物配置図の解析もあわせて行うことで、より多くの情報を引き出すことをめざす。文献史料の収集および松原氏遺品の記録・分析を進めるとともに、新たな史・資料の獲得に努める。レンガの成分分析については、採取してきた資料の測定を行い、建物等での測定に備える。
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Causes of Carryover |
測定方式の異なる機器での成果の差を比較するため、LiDARを搭載したタブレットの購入を予定していたが、価格や性能等の改良を鑑み、2024年度に購入することとした。また、研究分担者のパクが2023年度に豊橋に異動したことから、2024年度に第15師団の置かれた豊橋での関連施設巡検と研究打ち合わせを計画することとし、その旅費としても使用する予定である。
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Research Products
(2 results)