2023 Fiscal Year Research-status Report
生産技術伝承の高精度検証と社会構造復元に基づく埴輪生産体制の維持管理モデルの構築
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23K00927
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Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
和田 一之輔 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 室長 (40416409)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 埴輪 / 同工品 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画の初年度にあたる2023年度は、埴輪生産の維持管理モデルの構築に向けて、埴輪生産を内部構造から検証する作業に取り組んだ。 2024年度以降に本格的に取り組む予定である生産地での検証に備え、まずは古墳での検証に着手した。具体的には、京都府木津川流域、大阪府古市古墳群、奈良県布留川流域の中期~後期古墳を対象として同工品分析を実施し、古墳ごとに、あるいは隣接する古墳との関係を視野に、埴輪生産体制の実証例の蓄積を進めた。埴輪生産技術の維持・伝承・共有の実証作業とともに、埴輪生産集団の再編・拡散の動向把握に努めた。 また、いくつかの地域での同工品分析の結果、通時的な検討に有効なフィールドとして、ひとつ大阪府古市古墳群と同府誉田白鳥窯が良好かつ重要な検証事例となりうる見通しを得た。次年度に生産地での検討に着手することを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
古墳での同工品分析の結果、埴輪生産集団の再編・拡散の動向を把握するうえで、有効な実証例を得ることができた。 しかし、この古墳での同工品分析を基礎として埴輪生産集団の動向把握に見通しを得る作業に当初想定以上の時間を要した結果、生産地での分析に着手できなかった。次年度に生産地での分析に着手し、古墳での成果と照合・検討作業をおこなう計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
古墳での同工品分析に当初想定以上の時間を要したものの、大阪府古市古墳群と誉田白鳥窯での分析が有効である見通しを得たので、速やかに生産地での分析に着手する計画である。 しかし、これらの出土埴輪が当初想定以上に膨大な量が存在し、その分析に予想以上の労力と時間を要することが問題点である。これについては、調査研究アシスタントの雇用等によって、迅速かつ効率的に作業を進めたい。 同時に、全国遺跡報告総覧等のデータベースを効果的に利用し、地域社会構造の復元のための発掘調査報告書による集成作業も鋭意進めることで、研究計画をより一層推進させる計画である。
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Causes of Carryover |
当初予定以上の業務が発生したことで、調整が難航し、計画していた資料調査のうち実施できなかったものが生じたため、次年度使用額が発生した。これらについては、次年度、速やかに計画を立案・執行するとともに、当初次年度に予定していた資料調査等と合わせて効率的な実施を目指す。 また、上記と同じ理由で、初年度に予定していたパソコン・デジタルカメラ等の物品購入による研究環境の整備も充分に対処できなかったので、次年度計画的に実施する予定である。
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