2023 Fiscal Year Research-status Report
ポスト・コンフリクト地域の復興における博物館と文化遺産の役割に関する研究
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23K00958
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
牧野 真理子 帝京大学, 付置研究所, 助教 (60838986)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 文化遺産 / ポスト・コンフリクト / 博物館 / 復興 |
Outline of Annual Research Achievements |
1年目にあたる本年は、紛争と復興、文化遺産の関係をよりよく理解するために、国内においては、紛争下における文化遺産の破壊のパターンや原因、その後の復興過程における課題を理解するために文献や報道をもとにした様々な地域の事例研究を行なった。さらに類似研究の動向を把握するために、ジョージアで開催された国際会議「Collaboration in times of Crisis:Preserving Natural and Caltural Heritage」や、ASOR総会のワークショップ「Cultural Heritage in Crisis」に参加・発表し、海外の研究者と積極的に意見交換を行なった。 現地における活動としては、イラク・クルディスタン自治区スレイマニヤ県を主な対象とし、紛争後の社会において、地域のシンボルとして認識されている文化遺産や考古遺跡、歴史的建造物がどのように認識され、保護されているのかについて現地調査を実施した。 また、イラク・クルディスタン自治区における文化遺産保護制度の枠組みを理解すべく、法制度や文化遺産保護に関する行政機関や民間団体の役割を整理した。具体的には、オスマン帝国期以降、イラン建国そしてクルディスタン自治区の成立に至るまでの同地域の文化遺産保護制度の変遷を先行研究から整理するとともに、現在の自治区の法令を収集、翻訳するとともに、実際の運用状況について文化財行政関係者へのインタビューを行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目となる今年度は、今後の研究活動遂行のための研究体制を構築するために基礎的な情報の整理・収集を行なった。 類似研究の動向の把握、さらにポスト・コンフリクト地域での他事例、共通の課題を明らかにするために、国内外の会議に参加・発表し、同分野の研究者と意見交換を行なった。 さらに6月~7月にかけてイラク・クルディスタン自治区において現地調査を実施し、関係する機関(文化財局や博物館)とも協力関係を構築することができたため、今後の研究を遂行しやすくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究2年目は、引き続きイラク・クルディスタ自治区の文化遺産が紛争後の復興の過程でどのように保護・活用されているかを把握することを目的とする。また、イラク・クルディスタン自治区の博物館や教育関連施設における文化遺産に関係する教育プログラムの内容についても調査を行う予定である。
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Causes of Carryover |
現地での研究協力者に支払う予定だった謝金が不要となったため、残金が生じたが、渡航費が当初の想定より高額となったため、その分を補うことができた。次年度使用額は、次年度の現地調査の費用として計上する予定である。
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Research Products
(2 results)