2023 Fiscal Year Research-status Report
Workplaces without Depression: A Study of Mental Health in Modern Okinawa
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23K01017
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Research Institution | Nara Prefectual University |
Principal Investigator |
玉城 毅 奈良県立大学, 地域創造学部, 教授 (10507312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山部 洋幸 奈良県立大学, 地域創造学部, 准教授 (90785859)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | メンタルヘルス / リワーク・プログラム / 振り返り / 健康経営 |
Outline of Annual Research Achievements |
人と組織の病気/健康の条件を探るために、BowLが提供しているリワーク・プログラムとBowLの「健康的経営」に着目して参与観察を行なっている。 リワーク・プログラムは認知行動療法を中心に構成されている。そのエッセンスは、BowLの利用者が日々の生活の中で生じる感情と思考を振り返り、支援スタッフと他の利用者仲間に向かって話すことにある。出来事→認知→感情→思考の流れは人によって異なる特徴があり、認知行動療法を続けていくと、自分が他者とは異なる認知をしていることや、そこから生じる感情や思考の癖に気づくことになる。その際、「これではいけない」とか「こうすべき」という判断を挟まないことが重要である。ただ、自分の認知、感情、思考の癖を自覚し、そのような自分との付き合い方を考え続けることによって、彼・彼女たちの心身のコンディションが整えられていく。認知行動療法以外にもマインドフルネスやヨガなどがリワーク・プログラムに組み入れられているが、共通しているのは「振り返り」による自己理解と自己受容に注力している点にある。 「振り返り」は、BowLの運営においても重視されている。例えば、BowLの目的と意義を振り返る月に一度の「ファミリア・ミーティング」がそれをよく示している。ファミリアとは、140年経ってもまだ完成していないスペインのサグラダ・ファミリアにちなんで名付けられた名称であり、組織の目的と意義は、創業時に設定して固定されるものではなく、常に振り返り、必要に応じて更新されていくものだという考え方を表している。 振り返るという行為は、個人と組織の健康の条件を考える上で鍵となる。これが、これまでの調査で得た感触であり、これについて学会(国際大会)で発表した。「振り返り」の概念は今後、人と組織の病気/健康を記述していくための枠組の支柱になると見込んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
玉城は、春季と夏季に参与観察調査を継続的に行なっている。これに加えて、行政レベルでウェルビーング推進の取り組み行なっている富山県で調査を行ない、また、当事者研究でよく知られているベテルの家の活動についてのインタビューを行なった。その一方で、山部は、「幸福」に関する研究史を整理するとともに、BowLの創業者への経営学的視点からインタビュー調査を行なった。玉城と山部のそれぞれの調査の成果をすり合わせる研究会を定期的に開き、共同研究の方向性を確認しながら研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の主たるフィールドであるBowLには、病気/健康に関する専門的及び実践的な知識が蓄積されている。ゆえに本研究課題は、研究者の一方的な情報収集と情報発信に始終するよりも、実践者との共同作業を行なうことがより生産的な情報発信ができると考えるようになった。具体的には次年度に、BowL創業者によるトークイベント、セミナー、ワークショップを計画している。これを今後の共同研究を推進していくための第一歩と位置づけている。
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Remarks |
奈良県立大学地域創造研究センターに設置した仕事文化研究ユニット。仕事文化関連の研究活動を紹介している。
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