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2023 Fiscal Year Research-status Report

A Study of Sign Language and Deaf Identity in Coastal and Islands Areas of East Africa

Research Project

Project/Area Number 23K01029
Research InstitutionAkita University

Principal Investigator

宮本 律子  秋田大学, 国際資源学研究科, 教授 (30200215)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Keywords手話 sign language / タンザニア Tanzania / ケニア Kenya / ろう者のアイデンティティ / 島嶼部 islands
Outline of Annual Research Achievements

本研究は,東アフリカの沿岸部,ケニアのラム諸島および,タンザニアの島嶼部のろう者コミュニティにおける手話言語の接触現象を詳しく調べることを目的としている。これまでの研究では主としてろう者の集まりやすい都市部にあるろう学校の在学生や卒業者が対象とされ,地理的に隔絶された諸島部のろうコミュニティには焦点が当てられてこなかった。当該地域のろう学校および宗教的な集会の実態調査によりろうコミュニティの動態を明らかにする。
ケニア手話(KSL)やタンザニア手話(TSL)について記述が進みつつあるが,両手話の異同に注目すると東アフリカ手話の基層部分と接触による異相が見えてくる。数詞などでは大きな違いがあるが,基礎語彙の一部では類似した表現があり,それはアメリカ手話(ASL)とも異なっていることがわかっている。ろう児童のための中等教育がタンザニアやウガンダで整備されていなかった1980年代まで,一部のろう者がケニアで中等教育を受け帰国後,故国の手話にケニア手話の要素をもたらした可能性が高い。ニカラグアの新しい手話の誕生を引き合いに出すまでもなく,ろう学校は手話にとって最も重要な「ゆりかご」である。一方,Rothe (2022)によるとタンザニ北部のアリューシャ地域のろう者コミュニティにおいては,学校教育より,当事者が手話を用いて説教を行う宗教的な集会の方が彼らのアイデンティティ形成に影響が強いという。今回の筆者の調査で分かったのはキリスト教布教のための研修をケニアで受けKSLを習得したろう者が帰国後教会の説教においてKSLの単語を多数交えて説教をしていることである。
研究初年度の令和5年度は、まずタンザニアの島嶼部のろうコミュニティの情報収集を行った。ザンジバルには独自のろう者協会があり、ろう学校もあるが、ヨーロッパの非営利団体による教育が盛んなことがわかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究初年度の令和5年度は,まずタンザニアの島嶼部のろうコミュニティの情報収集を行った。ザンジバルには独自のろう者協会があり,ろう学校もあるが,ヨーロッパの非営利団体による教育が盛んなことがわかった。今のところ,タンザニアろう協会(CHAVITA)の紹介によりザンジバルのろう者団体との連絡を取ることができている。また,ろう教育施設を運営するヨーロッパの団体にも連絡をとり,訪問の準備を行っている。

Strategy for Future Research Activity

2年目の令和6年度には実際にザンジバル島を訪れ,ろう者団体を訪問,ろう者にインタビューを実施するとともにケニアのラム島の情報収集もおこなう予定である。

Causes of Carryover

令和5年度はタンザニアの調査のみ実施し,ケニアのラム島には訪れることができなかった。旅費以外の項目は支出しなかったので残額が生じた。令和6年度は両地域の現地調査を実施し,インタビューも実施するので,旅費および謝金等を使用する予定である。

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Published: 2024-12-25  

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