2023 Fiscal Year Research-status Report
A Cultural Anthropological Study of Social and Cultural Creativity of Indonesian Museums after Democratization
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23K01045
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
金子 正徳 摂南大学, 国際学部, 准教授 (50435541)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 博物館展示 / 歴史表象の変化 / 社会文化的創造性 / インドネシア / 文化人類学 / 地域研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年8月に展示に関する現地調査を行い、次の博物館・美術館等を訪問した。インドネシア銀行博物館(Museum Bank Indonesia)、ワヤン博物館(Museum Wayang)、海事博物館(Museum Kebaharian)、マンディリ銀行博物館(Museum Bank Mandiri)、ジャカルタ歴史博物館(Museum Fatahillah(Museum Sejarah Jakarta))、美術陶器博物館(Museum Seni Rupa Dan Keramik)、モダン&コンテンポラリーアート美術館(Museum MACAN)、国立歴史博物館(Museum Sejarah Nasional)、1945年闘争博物館(Museum Joeang '45)、青年の誓い博物館(Museum Sumpah Pemuda)民族覚醒博物館(Museum Kebangkitan Nasional)、チャンドラナヤ保存建築物(Gedung Candra Naya)、独立宣言起草博物館(Museum Perumusan Naskah Proklamasi)、インドネシア共産党クーデター博物館(Museum Pengkhianatan PKI)、国立博物館(Museum Nasional)。同時期に、カウンターパートであるランプン大学教員とジャカルタにおいて対面での意見交換をした。結果、新秩序体制期から民主主義体制期への、「歴史」とくに現代史をめぐる意識の変化が顕著であった。 2023年12月に、インドネシア研究懇話会第5回研究大会において研究発表「ジャカルタの歴史系博物館における展示の変化に関する一考察」を行なった。 2024年3月には本研究課題に関する担当章を含む共著『記憶と歴史の人類学:東南アジア・オセアニア島嶼部における戦争・移住・他者接触の経験』が刊行された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は計画に記していたジャカルタでの現地調査を実施し、特に歴史系博物館3館の展示について、過去に収集していたデータとの比較をすることができた。これらの成果をもとに研究発表を1回行うことができた。 また、2024年3月に刊行された上述の共著担当章において、歴史系博物館3館の展示について、この10年ほどの間で進行した展示手法や展示内容の変化を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、夏季に現地調査を行い、近年、展示内容を大幅刷新した地方の博物館としてランプン州立博物館を取り上げて展示の傾向と変化について参与観察及びインタビューを行う予定であるほか、ジャワ島他地域の主要都市(東ジャワ州スラバヤ市や西ジャワ州バンドゥン市を想定)において新設博物館および美術館の参与観察及びインタビューを行う予定である。合わせて、インドネシア研究懇話会第6回研究大会等で経過的な成果発表をする予定である。
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Causes of Carryover |
共著が2024年3月末に刊行予定となったため、2024年度に研究成果公開費として同共著を20冊購入する費用とする。 また、2024年度にはランプン州における調査を追加するため、往復航空運賃として利用する。
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