2023 Fiscal Year Research-status Report
フランスの地方公務員の定員管理-地方公務員数を規定する要因に関する研究
Project/Area Number |
23K01256
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
玉井 亮子 京都府立大学, 公共政策学部, 教授 (10621740)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 地方公務員制度 / フランス / 中央地方関係 / 都市政治 / 定員管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
過去の調査より、フランス地方自治体の人件費をめぐっては「国が自治体人件費抑制を後押しする政策を決定、実施する」といった現象がみられることを確認していた。すなわち地方自治体は、予算を通じて国の望む自治体の定員管理へと誘導されており、それは中央政府よる地方政府への間接的コントロールと呼べると考えていた。そこで2023年度は、定員管理と関連して、自治体側における人事管理上の自律性を調査すべく、「給与政策」に注目して、調査を行った。文献調査を通じて、都市部の一部では、基本給を補完する形で、特別手当の一環として、業績給を導入する自治体がみられることが分かった。また調査の過程で、地方公務員数の増加傾向は鈍化しているものの、地方自治体の抱える課題として、優秀な人材を地方公務員として雇用することが難しくなっている状況があること、給与政策のなかで、自治体の裁量が発揮されやすい手当のあり方が、人材確保策を含め、自治体としての定員管理の独自性を発揮しやすいことを確認した。一連の検討を通じて得た結果に基づいて、給与政策や手当にも言及しながら、論文を執筆し、公刊した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
次年度、代表者はフランス現地に長期滞在する予定がある。文献調査を通じて、地方公務員制度上、定員管理と関連する制度改正の内容、改正に至った政治的要因を確認するとともに、現地研究者と連絡を取りながら、調査の準備、分析枠組みの精緻化を図っている。今年度は勤務校の学内業務が予想していたよりも多い年であったことから、研究時間を確保することが難しかった側面がある。
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Strategy for Future Research Activity |
文献調査に基づき、事例調査、分析枠組みの精緻化を図るとともに、研究成果の発信、公刊を行う。2024年度は代表者がフランスに滞在し、調査研究を行う予定であることから、引き続き、現地研究者との意見交換を定期的に行いながら、研究を進める。
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Causes of Carryover |
今年度は、学内業務に予想以上に時間を取られることが多く、本研究に割く時間が少なかったことを背景として、予定していた予算額の使用ができなかった。2024年度は、計画的に予算執行に努めたい。
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