2023 Fiscal Year Research-status Report
A Study of Organizational Industrial Organization and Its application to Research Joint Venture
Project/Area Number |
23K01300
|
Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
白田 康洋 小樽商科大学, 商学部, 教授 (80635110)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
|
Keywords | ゲーム理論 / 産業組織論 / 組織の経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は組織的産業組織論に関する論文の草稿を書いた.これまでの研究では,外部との競争環境を一定と仮定したときの各企業が研究者に支払う最適な報酬契約の設計方法が広く知られていた.しかし研究者たちの研究開発(R&D)では論文発表や特許発表,また業界団体を通じた意見交換の機会等を通じた知識のスピルオーバーが存在することが広く知られている.つまり自社の研究開発を促進すると知識のスピルオーバーを通じて他企業との競争環境が変化してしまう. そこで本論文では,スピルーバーによる産業の参入数やコスト削減等の競争形態,その他の外部環境の変化が存在するときに,経営者が研究者に掲示する最適報酬契約をどのように変化させるのが最適なのかを理論的に計算した. 本論文はアジア・オセアニア地域で産業組織論の最大の学会であるAsia-Pacific Industrial Organisation Conference 2023にて報告を行い,出席者から有益なコメントをもらうことができた.上記の論文を報告し今後はコメント等を参考に論文を改訂し,投稿できるように仕上げていきたい. また,アジア地域最大の経済学会,Asian Meeting of Econometric Societyに参加し,分野の最新研究成果に関する資料を収集するとともに,研究者との交流を通じて新しい研究のアイデアについての意見交換を行った.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実績の概要で述べた通り,本年度では論文の草稿を書くことができた.次年度には,さらに国際学会報告を行う予定である.次年度では,それらのコメントを参考に改訂を経て国際査読誌に投稿できると予想できる.したがって研究は順調に進んでいると考えられる.
|
Strategy for Future Research Activity |
様々な国際学会で論文を報告し,改訂を行い国際査読誌に投稿したい.また,関連する新たな研究のアイデアがいくつかあるので論文にできるか検討を始めたい.
|
Causes of Carryover |
本年度は別の研究資金が得られたため,そちらからの支出を優先した.当科研費は円安等による海外渡航費の大幅な上昇に対応できるように次年度以降の支出に回すことにした.
|