2023 Fiscal Year Research-status Report
Policy Experimentation and International Policy Coordination
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23K01347
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石田 潤一郎 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (40324222)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 政策実験 / 政策協調 / 非対称情報 / 外部性 / 知識探索 |
Outline of Annual Research Achievements |
国際社会がパンデミックのような未知の問題に直面したとき,各国政府は試行錯誤によって 「正しい政策」を見つけ出さなければならない.しかし,個人の選択の自由を尊重する民主国家においては,こうした政策実験(policy experimentation)を市民に強制することができないため,市民が自発的に政策実験に参加できるようなインセンティブを担保する制度設計が求められる.今年度は,そうした制度設計にむけた第一歩として,社会全体に偏在する情報を集約した政府が,その情報を市民へどのように開示すべきかという問題について理論的な分析を進めた.具体的には,新たに開発されたmRNAワクチンのような,個人レベルではその短期的または長期的効果が明確でなく,またその科学的評価には大集団において集計された大規模データが要求される状況を想定している.現在進行中の研究では,こうした環境における最適な情報フィードバックメカニズムの特徴づけを行い,その結果からいくつかの現実への応用が可能な政策含意を導出した.この分析の結果,政府が直面する問題は潜在的に複雑なものとなりうるにも関わらず,最適なフィードバックメカニズムは極めてシンプルな原則によって特徴づけることができることがわかった.また,この分析で明らかになったこれらの原則は,情報生成過程や政府の目的関数といったモデルの細部とは独立に成立するため,現実の幅広い状況に応用することが可能であると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最適情報フィードバックメカニズムの研究はほぼ完成に近づいており,他の研究プロジェクトについても順次着手する準備が整っている.
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Strategy for Future Research Activity |
現在進行中の研究を完成させワーキングペーパーとして公表する.また,政府が複数存在するケースへの分析の拡張を検討する.
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Causes of Carryover |
予定していたタブレットの購入を延期した.予算は共同研究者の招へいに使用する計画.
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Research Products
(6 results)