2023 Fiscal Year Research-status Report
カンボジア農村における非農業就業機会の拡大と子どもの多次元貧困
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23K01378
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
三輪 加奈 長崎大学, 経済学部, 教授 (00552001)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 子どもの多次元貧困 / 非農業就業 / カンボジア農村 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、カンボジアの特に農村部における子どもの多次元貧困(Multidimensional child poverty)に着目し、農村部での非農業部門への就業機会の拡大がどのような影響を与えるのかについて、計量経済学的な実証分析により明らかにすることを目的としている。 令和5年度は、先行研究のレビューを進めるとともに、9月にカンボジア現地での家計聞き取り調査を実施した。調査では、調査対象となった世帯の全般的な情報に加え、調査地域・世帯員の非農業部門への就業の現状、子どもの栄養状態を測るための身長・体重の計測データなど多次元貧困を特定するために必要な情報やデータを収集することができた。 今年度の現地調査で収集したデータと、研究代表者の過去の研究において収集したデータを併せてパネルデータとし、それを用いた研究分析を行い、国内学会での報告も実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度である2023年度では現地調査の実施に加え、複数年のパネルデータによる研究分析も進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度も2023年度と同様にカンボジア農村での調査を予定している。2年連続で調査をすることで、環境変化などを観察しパネルデータ分析につなげる。また、農村部での非農業部門への母親などの就業が子どもの多次元貧困に与える影響と、非農業部門の拡大が子どもの多次元貧困にもたらす変化についても考察する。
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Causes of Carryover |
当初の予定より調査が順調に進んだことで、特に調査補助員の人件費やレンタカー代費用の支出が低く抑えられたために次年度使用額が生じた。2024年度も現地調査を予定していることから、主に調査関連費用の支出に使用する予定である。
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