2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of on-board batteries and electric components for Japanese, Korean, Chinese, and German automotive manufacturers, and architectural knowledge
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23K01551
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
朴 泰勲 関西大学, 商学部, 教授 (50340584)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | クラウド / 両利き戦略 / 中国の自動車産業 / オープンスタック / モジュラー化 / プラットフォーム / モジュールの多重化 / システム統合 |
Outline of Annual Research Achievements |
中国では政府の環境規制と国内産業の振興政策により電気自動車の普及が進んでいる。電気自動車にはAI、IoT、自動運転技術がかかせないものとなっている。電動化とともに、自動車もインターネットにつながる時代になり、AIや自動運転技術にはクラウドサーバによるサービスの重要性が増している。しかし、近年米中の地政学的なリスクの側面から、中国企業はクラウド関連サービスを世界三大クラウドサービス会社(マイクロソフト、アマゾン、グーグル)のパブリッククラウドを利用せず、独自に開発する傾向がある。たとえば、中国企業であるアリババや華為などのような企業は独自のクラウドサービスを自動車メーカーに提供している。AI、IoT、自動運転を車に搭載するため、中国企業が注目しているのは、OpenstackとKubernetesというオープンソースのプラットフォームである。最初はアメリカのNASAが重要な情報をパブリッククラウドに保存することを回避するため、開発したプラットフォームであったが、2010年にオープンソースとして公開するようになった。このように近年電気自動車の車載電池、電動部品、自動運転をめぐって競争が激しさを増していくなかで、ソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)として電気自動車のソフトウェアの製品アーキテクチャは徐々にモジュラー化が進んでいる。モジュラー型クラウドシステムの製品アーキテクチャはオープンソースのプラットフォーム(OpenstackやKubernetes)とクローズドプラットフォーム(アマゾンAWSなど)があるが、電気自動車メーカーはこれらのプラットフォームを必要に応じて組み合わせて活用するケースが増えている。また、オープンモジュラー型の場合、故障に備えて製品やソフトの開発に余分なレプリカやスラック部品の組み込みの重要性が浮き彫りになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
車載電池と関連し、電気自動車メーカーは 充電施設や電池の消耗状況に関するデータを蓄積するため、クラウドサーバを使用するケースが多く、パブリッククラウドとプライベートクラウドを組み合わせて活用するケースが多い。また、電動部品の制御や自動運転においてもクラウドを使用し、電気自動車の制御データとして管理されることが多い。このように車載電池、電動部品、自動運転システムと関連するクラウド制御システムの製品アーキテクチャは近年アプリのコンテナ化(dockerやkubernetes)によりモジュラー型アーキテクチャ化が促進されている。現在、Openstack,Kubernetes, Docker, Proxmoxなどをベースにしたサーバシステムを運用しながら、クラウドシステムが自動車産業のサプライシステムに及ぼす影響について研究している。電気自動車メーカーや部品メーカーのインタビュー調査はまだ3社しか行っておらず、計画より遅れている。電動部品や電池の開発と連携し、どのようにクラウドサービスのデータを分析し、電気自動車の性能向上につなげていくのかは重要な経営課題ではあるが、現在開発中の製品やソフトに関する情報やデータはまた公開されているものが少ない。今年度は韓国の電気自動車関連の電動部品を製造開発する企業を訪れ、クラウド化による製品アーキテクチャの知識がどのように変わったかについてインタビュー調査をする予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
電気自動車を開発する自動車メーカーは電気自動車の充電施設や電池の消耗状況に関するデータを蓄積する必要があるため、クラウドを活用するケースが増えている。また、電動部品や自動運転においてもクラウドが使用され、電気自動車の制御データの蓄積も進んでいる。加えて、車載電池、電動部品、自動運転と関連するクラウド制御システムの製品アーキテクチャのモジュラー化が図られている。先行研究によれば、モジュラー型製品アーキテクチャはオープン型とクロズド型に分けら、企業は自社の製品を産業のドミナントデザインにするため、経営戦略に合わせてオープンもしくはクロズドモジュラー型のいずれかを選択すると論じられてきた。 しかし、フォルクスワーゲンやテスラはソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)を開発する際に、戦略的に重要な部品やサービスなどについてはクロズドモジュラー型を、比較的汎用技術のデータはオープンモジュラー型を選択し、オープンとクロズドクラウドを組み合わせて活用している。また、モジュラー型クラウドシステムの場合、アプリの不具合に備えたレプリカの増設や多数のバーチャルサーバ間の調律機能が必要とされ、完成車メーカーと部品メーカーの間でクラウドシステムによる情報の共有と組織間協業が必要となっている。しかし、クラウドをベースにした自動車メーカーと部品メーカーの協業による製品開発には、コア技術とノウハウの保護が難しくなるため、いかに特許による技術の専有化を進めていくかが重要となる。今後、自動車産業におけるクラウドの活用と特許の相互関係について調査するため、日韓中の特許データの収集を進めると同時に、部品メーカーのインタビュー調査も積み重ねていく計画である。
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Causes of Carryover |
前年度のインタビュー調査が計画通りに進まなかった理由は、部品メーカーの訪問先を紹介してくれる予定であった部品メーカーの担当理事が退職したことにより、訪問先を探すのに時間がかかった。また、クラウドシステムに関するまだ十分な知識の蓄積ができず、AIやIOTで活用できるプライベートクラウドシステムの構築に必要なサーバの購入ができなかった。さらに、データの収集に時間がかかり、データを整理するアルバイトの雇用に必要な予算を使用できなかった。次年度は海外調査が計画通りに進むように、訪問先の確保と設備購入をし、予算を使用する予定である。また、特許関連データの処理にアルバイトを雇用し、データの整理と分析を行うつもりである。
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Research Products
(1 results)