2023 Fiscal Year Research-status Report
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23K01573
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小菅 竜介 立命館大学, 経営管理研究科, 教授 (80755471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 裕子 立命館大学, 総合心理学部, 教授 (20437180)
稲水 伸行 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 准教授 (50572830)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | TEA / 顧客ドミナントロジック / 価値形成 / 事例研究 / センスメイキング |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、文献サーベイと顧客プロセスの事例分析を通じて、顧客による価値実現を支援する営業に関する理論的枠組みを検討し、その結果として研究の土台を築いた。 まず、文献サーベイを通じて、C-Dロジック(顧客ドミナントロジック)や価値形成に関する理論を検討し、顧客の生活世界の時間性を可視化することの重要性を確認した。さらに、センスメイキング論との統合により、顧客プロセスの理解がより深まることを見出した。 次いで、自動車販売会社の協力を得て、5名の消費者が自動車購入に至るまでのプロセスを詳細に分析した。各対象者に対して2回のインタビューを実施し、得られたデータはTEA(複線径路等至性アプローチ)を用いて分析された。この分析から、顧客の生活世界の中で価値期待がどのように形成されるか、また、価値観や未来展望が選択にどのような影響を与えるかが明らかになった。これらの発見は、営業担当者が顧客に対してどのような役割を果たすべきかについて重要な示唆をもたらし、営業担当者による対顧客行動のプロセスを詳細に分析するという今後の方針へとつながった。 さらに、研究分担者との議論を通じて、TEAがビジネスにおける創発的現象を扱う事例研究の手法としても有効であることを見出した。この着想と、プロセス研究に関する文献サーベイに基づいて、当初の計画にはなかった論文の執筆に着手することになった。これにより、今後の研究に新しい発展の方向性が開かれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献サーベイと顧客プロセスの事例分析は計画通りに進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
文献サーベイと顧客プロセスの事例分析から得られた知見を基に、顧客の価値実現を支援する営業の理論化を進める。そのために、協力企業との連携を強化し、営業担当者のプロセスについても事例分析を行う。この際、異なる業種の営業も対象とする。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた主な理由は、研究活動の効率化に注力し、物品や旅費に係る費用を全体的に抑制したことによる。この額は、2024年度の研究活動において必要とされる資金として活用する計画である。特に、新たな事例研究の実施に必要な人件費と謝金に充てられるほか、学会発表および営業現場で行うインタビュー調査のための旅費に使用される。
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