2023 Fiscal Year Research-status Report
製品開発プロセスにおけるデザインと他機能の相互調整と組織マネジメント
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23K01588
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
菅野 洋介 中央大学, 商学部, 准教授 (00579980)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | デザインマネジメント / 製品デザイン / 製品開発プロセス / 部門間調整 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、(1)製品開発プロセスにおけるデザインと他機能の相互調整パターンが、製品デザインの成果にどのような影響を及ぼすのかを明らかにすることと、(2)組織要因や外部環境要因のもとで、デザインと他機能の相互調整がどのように働き、最終的な製品開発パフォーマンスをどのように規定するのかを明らかにすることである。 初年度となる2023年度は、これらの研究目的に関連する既存研究レビューを実施し、関連する既存研究では何がどこまで明らかにされてきたのかを再整理することで、本研究の学術的な位置づけを改めて検討した。併せて、製造業企業を対象とした調査を実施するうえでの論点を抽出することに取り組んだ。さらに、自動車メーカーのマーケターと総合電機メーカーのエンジニア及びデザイナーを対象とした探索的なインタビュー調査を実施し、製品開発プロセスにおいて、デザインとマーケティング、エンジニアリングが各段階においてどのような相互調整を行っているのかについて、実態を把握した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、研究の問題意識に関連する既存研究レビューを概ね終わらせることができたとともに、製造業企業のデザイナー、エンジニア、マーケターを対象とした探索的なインタビュー調査を実施することができ、研究の問題意識をより明確にするとともに、質問票調査を実施するうえでの重要な論点や本研究の学術的な位置づけなどを検討することができたため、概ね順調に進展しているととらえている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、引き続き既存研究レビューを精緻化させていくと同時に、製造業企業を対象として実施する質問票調査の準備にとりかかる予定である。具体的には、既存研究の検討を通じた仮説の導出及び概念モデルの構築に取り組む。ここれらの作業を進展させる際には、適宜、実務家を対象としたインビュー調査なども実施する予定である。これらの作業が順調に進めば、具体的な質問票の作成にも取り掛かる。
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Causes of Carryover |
2023年度は、既存研究レビューに必要な書籍・論文や消耗品等の購入費用を計上していたが、所属機関の論文データベース等の利用でカバーできたためそれらの経費を使用しなかった。また、製造業企業を対象としたインタビュー調査の実施にかかわる旅費を計上していたが、インタビューをすべてリモートで実施したことで、それらの経費を使用しなかった。2024年度には、書籍・論文の購入や旅費を計上している。また、研究成果が途中の経過で出た段階で国際学術雑誌への投稿も検討しており、その際の英文校正費用などを計上している。
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