2023 Fiscal Year Research-status Report
若年テレワーク勤務者のキャリア発達課題の実態と発達促進要因の働き
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23K01608
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
児玉 真樹子 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (10513202)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | テレワーク / 職業的アイデンティティ / 組織社会化 / メンタリング / ジョブ・クラフティング |
Outline of Annual Research Achievements |
研究1(2023年):若年就業者を対象としたテレワークの状態別にみた職業的アイデンティティ形成,組織社会化,メンタリング,ジョブ・クラフティングの実態の解明 【目的】若年就業者のテレワーク勤務の有無/頻度別に,職業的アイデンティティ,組織社会化,メンタリング,ジョブ・クラフティングの各々の状態について明らかにする。 【方法】若年就業者(20代で入社後5年以内)を対象に調査を実施し,1240名のデータを得た。調査内容はテレワークの有無/頻度,メンタリングの実態,ジョブ・クラフティング,職業的アイデンティティ,組織社会化,フェース項目であった。 【結果】テレワークの実施状態について,フェース項目(組織規模,職種,業種等)で検討し,組織規模による影響が大きいことを確認した。所属する組織の規模が従業員数1000人以上の大企業のみとし,その従業員614名分(テレワーク無197名,テレワーク週1回以下200名,週2,3回127名,週4回以上90名)を分析対象とした。分析の結果より,テレワーク無群では会社にメンター制度がないケースが多くメンターがいない者が多い傾向がみられたが,テレワーク有群ではメンター制度があるケースが多くメンターがいる者が多かった。メンターがいる人のみを対象とした分散分析の結果,テレワークの有無/頻度によるメンタリング機能に差異はなかった。さらに分散分析の結果より,ジョブ・クラフティングの一部と組織社会化の情緒的コミットメントにはテレワークの有無/頻度による差異がみられ,いずれもテレワーク頻度の高い(週4回以上)群がテレワークの無い群よりも得点が高かった。しかし職業的アイデンティティには差異はみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オンライン調査で当初予定していたほどのデータ数は得られなかったが,分析には問題のない程度のデータ数は得られ,分析もほぼ完了した。現在,分析結果の論文化を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究1については,論文化を進め,学会でも発表を行う予定。
さらに以下の研究に着手する予定。 研究2:若年層のテレワーク勤務者の職業的アイデンティティ形成と組織社会化に対するメンタリングとジョブ・クラフティングの働きおよび各変数間の関係性の解明
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Causes of Carryover |
調査において想定していたほどデータ数が集まらず,その結果,調査費用が予定よりも少なくなったために次年度使用額が生じた。なお次年度の調査は予定より多くなる可能性があるため,調査実施費に充てたい。
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