2023 Fiscal Year Research-status Report
自動車の電動化とエコシステムの変容に関する実証分析
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23K01615
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
近能 善範 法政大学, 経営学部, 教授 (10345275)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 自動車産業 / サプライヤーシステム / エコシステム / 電動化 / モジュール化 / PC業界 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、㈱アイアールシーの倒産に伴って、既に構築済みであった同社資料を用いたデータベースの拡充ができなくなったことから、新たに総合技研㈱の資料『主要自動車部品255品目の国内における納入マトリックスの現状分析』の2001年版~2022年版(3年ごと)を用いて、①延べ300個近い主要自動車部品に関する2001年から2022年にかけての詳細な取引関係のデータベースを構築した。また、特許調査会社を通じて2010年~2022年の自動車メーカー特許出願データを新たに購入し、既に構築済みであったデータと接合して、②1983年から2022年までに自動車メーカーと部品サプライヤーが共同で出願した特許のデータベースを構築した。 次に、昨今のガソリン自動車から電気自動車への急速な製品転換(モジュール化)が自動車・自動車部品産業の市場構造や取引関係に及ぼす影響について調査するため、上記データセットをもとに自動車の電気・電子部品の取引関係の変化についても、探索的な分析を行った。具体的には、電気・電子部品とメカニカル部品とに分けて、自動車部品取引(モノの取引)と知識取引(共同特許から見た先端的技術分野での共同開発関係)のネットワーク構造の変遷について、分析と比較を行った。その結果、2010年~2022年にかけて、部品取引の面でも知識取引の面でも、メカニカル部品よりも電気・電子部品の方が変化の度合いが大きいこと、電気・電子部品の中では部品取引よりも知識取引の方が変化の度合いが大きいことが、それぞれ明らかになった。 さらには、一足先にモジュール化が生じ、市場構造、部品取引関係、企業の競争力に大きな変化が生じた90年代の日本PC業界を定量的・定性的に分析し、現在の自動車産業の置かれている状況と比較する作業を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
㈱アイアールシーの倒産に伴って、既に構築済みであった同社資料を用いたデータベースの拡充ができなくなったことから、新たに総合技研㈱の資料『主要自動車部品255品目の国内における納入マトリックスの現状分析』の2001年版~2022年版(3年ごと)を用いて、主要自動車部品に関する2001年から2022年にかけての詳細な取引関係のデータベースを構築し直した。そのため、計画の遂行が予定よりも2~3ヶ月遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度(2024年度)は、自動車メーカーおよび主要サプライヤーへのインタビュー調査を精力的に行っていきたいと考える。また、引き続きデータベースの整備を進めた上で、定量分析を行い、結果をまとめ、ディスカッション・ペーパーの作成・公表を行いたいと考えている。さらには、来年度に向けて、国内外の学会での発表や、ジャーナルへの論文投稿の準備も進めていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
主要部品サプライヤー(約500社)が2010年から2022年までに出願した特許データを購入することを計画していたが、予算が大幅に不足していたため、購入を新年度に延期した。 特許データはすでに特許調査会社に発注をかけており、5月中に納品される予定である。
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