2023 Fiscal Year Research-status Report
顧客との信頼形成と経験価値の創造を可能にする情報活用能力の解明
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23K01620
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
古賀 広志 関西大学, 総合情報学部, 教授 (20258312)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | マーケティング倫理 / デジタルマーケティング |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年9月にタイで開催された国際会議(MISNC)において,個人のプライバシー意識に関するWeb調査結果の概要を報告することができた.同報告では,(1)自己情報統制権については,(a)若年層は「削除」の選択率が低い,(b)高齢層は「削除」と「利用制限」の選択率が高い,(c)壮年層は平均的であること,(2)情報発信におけるプライバシー配慮に限定されるけれども,プライバシーに「配慮しない」人が「個人情報の保有期限の制限」の選択率が高く,自己情報統制について関心を抱いていること,(3)データ社会に対する「利便性向上などの期待」と「情報漏洩やプライバシー侵害などのリスクや不安」のどちらを強く感じているかについては,(a)男性が「期待」,女性が「不安」を選択する傾向があること,(b)「期待」する人は,4大SNSを実目と匿名を使い分けて利用しており,自己情報統制については「確認」と「修正」を望んでいること,(c)「不安」をおぼえる人は,SNSを「利用してない」傾向があり,自己情報統制権としては「削除」,「保有期間の制限」,「第三者提供の制限」を重視していること.(d)「不安」を覚える人は,「情報銀行」に対しても委託しても良い情報内容を「趣味」あるいは「なし」と回答する比率が高いことなどを明らかにした. また,2024年度3月にスペインにて開催された国際会議(ETHICOMP)では,ソーシャルメディアを活用した運用型広告が内包する問題点を(1)法的規制が必要となる要因,(2)企業の自主努力で克服可能な要因に整理した上で,顧客価値の創造とマーケティング倫理の追究がコインの裏表の関係にあることを改めて確認することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対面での国際会議が復活しつつある中で,精力的に活動できたと思う.
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Strategy for Future Research Activity |
国際会議での議論を踏まえて更なる分析やマップの精緻化を図っていきたい.
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Causes of Carryover |
追加調査の企画と実施が遅延しているため,今年度は,追加調査のための資料収集とWeb調査に60万円を使用する予定である.また,次年度の予算では,国際会議および海外での調査研究を予定している.
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