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2023 Fiscal Year Research-status Report

Analysis on hunger strikes of undocumented migrants from perspective of active citizenship

Research Project

Project/Area Number 23K01731
Research InstitutionSophia University

Principal Investigator

稲葉 奈々子  上智大学, 総合グローバル学部, 教授 (40302335)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Keywords移民 / 非正規移民 / 社会運動 / ハンガーストライキ
Outline of Annual Research Achievements

本年度は日本の非正規移民の社会運動について、インタビューによる調査を行った。とくに在留資格がないことで生活困窮状態にある非正規移民が社会に包摂される経路としての市民運動についての調査を行った。非正規移民は制度的には、政治、社会的にほとんどの権利を剥奪されている。いっぽう、これまで日本人の生活困窮者支援を行ってきた市民団体は、人権は普遍的なものであるという「常識」に日本における外国人の人権が、在留資格制度によって制限されているとは思わず支援にのりだす。
非正規移民は、本年度の研究フィールドである日本にかぎらず、移民受け入れ国では排除的な政策がとられるようになっている。非正規移民の正規化のもっとも有効な主張は、受け入れ国において就労しているという事実である。イタリアやフランスなど就労の実績をもって正規化する国も少なくない。日本の場合は、就労を禁じるだけではなく、規則を破ることで無期限に収容される可能性があるため、非正規移民は就労をためらうことになる。同様の理由から、正規化を求める当事者運動も活性化しにくい。
これら多面的な制度的排除ゆえに、市民社会の支援を受けなければ生き抜くことはできなくなるため、逆説的に、制度的に排除されればされるほど、市民社会には強固に包摂されることが仮説として導きだされた。しかし市民社会に包摂されていても、社会レベルにとどまっており、政治的な領域に表出しにくい。また市民社会での支援は、市民の共感に基づいているため、普遍的に誰にでも適用される保障もないし、保障することは不可能である。共感が、政治として表出する過程については、次年度以降の研究課題である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

予定していたインタビューや文献調査は順調に進展している。フランスにおいてもインタビューを実施すべく、対象者への予備的インタビューを行ったが、ハンガーストライキよりも、労働運動としてのストライキのほうが規模が大きく、政治的に有効であることがわかり、当初予定していたハンガーストライカーではなく、労働運動としてのストライキに参加した非正規移民当事者へのインタビューをすることになりそうである。

Strategy for Future Research Activity

上述したように、ハンガーストライキについての調査はフランスにおいても継続するが、労働運動としてのストライキについても調査が必要と判明した。当初は労働運動の調査は予定していなかったが、労働総同盟(CGT)の関係者の協力を得て調査を進める準備をしている。

Causes of Carryover

調査対象者の都合により年度内に予定していた調査日程が予定よりも短くなったため、次年度使用額が生じた。2023年度にインタビューできなかった調査対象者に対しては2024年7月に実施する調査でインタビューを行う予定であり、そのさいの渡航費として使用する。

  • Research Products

    (6 results)

All 2024 2023

All Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Invited: 1 results) Book (3 results)

  • [Presentation] 在留資格がないペルー人たち2024

    • Author(s)
      稲葉奈々子
    • Organizer
      シンポジウム 「ペルーから日本へのデカセギ30年史」
  • [Presentation] Resistance of Undocumented Migrants in Immigration Detention Centers in Japan2023

    • Author(s)
      INABA Nanako
    • Organizer
      European Association for Japanese Studies
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Les mouvements sociaux des sans-papiers au Japon, des annees 1950 a nos jours2023

    • Author(s)
      INABA Nanako
    • Organizer
      Les jeudis du JAPON: Cycle de conferences organise par l'Institut francais de recherche sur l'Asie de l'Est
    • Invited
  • [Book] ペルーから日本へのデカセギ30年史2024

    • Author(s)
      樋口直人、稲葉奈々子、ハイメ・タカハシ他
    • Total Pages
      350
    • Publisher
      インパクト出版会
    • ISBN
      4755403456
  • [Book] 入管を問う―現代日本における移民の収容と抵抗2023

    • Author(s)
      岸見太一、高谷幸、稲葉奈々子
    • Total Pages
      268
    • Publisher
      人文書院
    • ISBN
      9784409241585
  • [Book] ニューカマーの世代交代―日本における移民2世の時代2023

    • Author(s)
      樋口直人、稲葉奈々子
    • Total Pages
      232
    • Publisher
      明石書店
    • ISBN
      4750355186

URL: 

Published: 2024-12-25  

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