2023 Fiscal Year Research-status Report
日記からみるアジア・太平洋戦争下の感情変容に関する計量社会学的研究
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23K01741
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
渡邊 勉 関西学院大学, 社会学部, 教授 (30261564)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 日記 / アジア・太平洋戦争 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、3つの方向で研究を進めてきた。 第一に感情史、日記研究に関する先行研究を精査してきた。感情史研究については近年多くの研究がおこなわれてきており、『現代思想』2023年12月号でも特集が組まれており、こうした最新の研究を収集し、その知見や課題について検討してきた。感情史研究をどのようにして日記の計量分析へと接合していけばいいかを検討してきた。感情が歴史研究において重要な要素であることは理解できるが、どのようにして具体的な分析へとつなげていくのかについてはさらに検討していく余地がある。 第二に、日記のデータ化である。すでにテキスト化された日記は300以上はあるが、十分に内容を精査していない。日記の中には後から追加して書かれている部分や補足された部分、さらに解説なども含まれており、それらを除いていく作業が必要である。また分析できる形式にもなっていない。そのため分析はまだ始められていない。一つ一つの日記について、データ分析が可能な形へと整形する作業をおこなってきた。ただこれはまだ十分にすすめられておらず、来年度以降も引き続きおこなっていく必要がある。 第三に、戦時期の人々の生活について、他の社会調査データによる分析をおこなった。特に戦災といった戦時期の出来事の影響について分析をおこなってきた。戦時期における一般庶民の生活を知るための手段として、社会調査データの回顧データを利用した。京浜工業地帯調査などいくつかの調査データを通じて、戦前、戦中、戦後期の庶民のライフコースの特徴を分析してきた。戦争特に戦災の影響について検討してきた。戦争が人々のライフコースにどのような影響を与えているのかを概観してきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ作成が十分に進んでいない。当初予想していたよりも、データ化そのものに時間がかかっていることが最大の要因である。
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Strategy for Future Research Activity |
データ化をさらに進めるために、第一にアルバイト等を増やす、第二に効率化の方法について探っていく。 またデータ分析の方法と感情史、戦争史などの接合の方法についても、さらに具体的に検討していく。
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Causes of Carryover |
前年度、日記テキストのデータ化が予定通りに進まなかった。理由は、予想以上にデータ化に時間がかかるということと、労力が必要であったということにある。そのため十分にデータ化のための予算を使うことができず、次年度に回すことになってしまった。今年度は前年度に引き続き、日記のテキストデータ化のために使用する予定である。
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