2023 Fiscal Year Research-status Report
包括的支援体制の視点による全世代型就労支援の可能性に関する研究
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23K01854
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Research Institution | Seisa Dohto University |
Principal Investigator |
畠山 明子 星槎道都大学, 社会福祉学部, 准教授(移行) (60886810)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 包括的支援体制 / 参加支援 / 就労支援 / 中間的就労 / 農福連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、①過疎高齢地域における障害者や高齢者等のユニバーサル就労に取り組む事例調査および②包括的支援体制整備事業下における就労支援事業の課題に関するワークショップを実施した。①については、研究協力を受けている社会福祉法人鷹栖町社会福祉協議会では、地場産業である農業を活用した就労支援事業に着手しており、社会福祉協議会の事務局長より包括的支援体制整備事業の概要や進捗状況について説明を受けた。また、高齢者やひきこもりなどの就労支援の窓口となる社会福祉協議会の担当職員や就労希望者を受け入れている事業所の担当者を対象としたグループインタビューを通じて、農業のマッチングの難しさなどが浮き彫りになった。さらに、北海道内の障害者就労支援事業において農業を取り入れている事例(古平町、当別町、当麻町、夕張市、函館市、新冠町)の聞き取り調査を実施した。主に、社会福祉法人がここ20年くらいの間にいわゆる農福連携と呼ばれる、法人内での食材の自家消費のために畑を借りるなどして行う形態や農家への施設外就労の形態をとって行われてきたものが、利用者の高齢化等に伴い農作業から撤退する事業所も増えてきているという。千葉県のNPO法人のような中間的就労を含めた多世代型の就労支援の必要性が高まってきていることが指摘できる。 ②ワークショップでは、鷹栖町社会福祉協議会、NPO法人ユニバーサル就労ネットワークちば、NPO法人北海道社会的事業所支援機構より話題提供をいただき、制度に限定されない就労支援のしくみについて、議論を行った。 また、学会報告1本を行い、研究論文1本をまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度に予定をしていた事例調査およびワークショップは実施できたが、2024年3月から着手を予定している、アンケート調査(北海道内の就労支援事業所等(障害福祉サービス事業所のほか、高齢者のデイサービスや中間的就労を含め200事業所を抽出)を対象とした全世代型就労支援に関する郵送調査)については、事例調査が主に障害者就労支援が中心となり、高齢者の就労支援事例の蓄積が少ないことから、調査票作成等を含め、現在進行中であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、引き続き①過疎高齢地域における障害者や高齢者等のユニバーサル就労に取り組む事例調査を行うが、今年度は障害者に限定せず、高齢者やひきこもりなどの対象にも広げた調査対象を選定する。そこから②全世代型就労支援に関するアンケート調査の調査項目の絞り込み、調査票作成・調査実施等を進めていく。合わせて、北海道内の小規模多機能型居宅介護事業所のサービス利用者を対象とした農福連携実践事例のパイロット調査への協力を通じて、高齢者の農業を活用した就労支援に関してフォローを行う。
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Causes of Carryover |
2023年度はおおむね予定通り支出したが、訪問事例調査に当初同行を予定していた研究協力者の旅費がかからなかったため、未使用分が発生している。2024年度も学識経験者や学生の研究協力者の同行を予定していることからその旅費および訪問調査の対象者への謝金の支出、アンケート調査を中心に、支出を予定している。
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Research Products
(2 results)