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2023 Fiscal Year Research-status Report

フィンランドにおける親族介護支援制度の実態の把握:介護者決定過程に焦点をあてて

Research Project

Project/Area Number 23K01872
Research InstitutionShizuoka University

Principal Investigator

濤岡 優  静岡大学, 国際連携推進機構, 研究員 (50939527)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2027-03-31
Keywords高齢者介護 / 家族介護 / 親族介護支援制度 / フィンランド / ケア / 家族 / informal care
Outline of Annual Research Achievements

来年度以降に実施する予定となっているフィールドワーク、およびインタビュー調査の準備として、本研究の調査対象地であるフィンランドに渡航し、家族介護支援制度に関わる社会福祉施設や研究機関を訪問した。
そこで本制度に関する調査を進めている研究者や社会福祉施設の職員にヒアリングを行い、親族介護支援制度が実際にはどのように運用されているのか、運用上どのような課題があるのかについて調査した。
その結果、以下のことが把握された。①制度の導入以降、利用者人数は上昇していたが、2022年以降から低迷・減少傾向にあること、また制度上の課題、および制度利用者、特に自治体との契約のもと家族のケアを担う介護者側が直面している課題として、②自治体ごとに親族介護支援制度の運用の仕方や規定が異なり、サービス内容や介護者に支給される金額に違いがある、結果、介護者が期待する介護者側に提供される支援(自治体との連携やレスパイトケアなど)と実状の間にずれが生じていること、③制度上では、親族の範囲を広く定義することにより、家族だけではなく近隣の人、友人等も介護者になることが可能となっているが、実際は介護を必要とする者の配偶者が介護者になる場合が多く、制度の利用が狭い関係性の中に留まっていること、④介護を提供する相手が自分自身の配偶者・親といった近い関係にあることによって、途中で自治体との契約を解除し介護者であることを中断すること、あるいは断ることができず、さらに自らが被る不利益や周りからのサポートの必要性を主張できない、といった状況が把握された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

実際に現地に渡航し本制度に関する研究を行っている研究者や、制度運用に携わっている社会福祉施設職員との情報交換・ヒアリング調査を実施することができた。今後は、フィールドワーク、およびインタビュー調査を実施するための調査対象者の募集を行う予定であるが、それに関しても協力を得られることになっている。
以上の理由から、該当年度の研究課題はおおむね順調に進んでいると判断する。

Strategy for Future Research Activity

今後は、実際に制度を利用している被介護者、介護者にヒアリング・インタビュー調査を行い、①どのような状況で制度の利用が可能になっているのか、②利用するにあたってどのような難しさがあるのか、③制度を利用する前の段階で被介護者ー介護者の間でどのような話し合いがなされ依頼・承諾をしているのか、④家族以外の者が介護の担い手となっているケースがどれくらいありどのような状況でそれが可能になっているのか、を明らかにするための調査を行う予定となっている。

Causes of Carryover

本研究に関連する学会や研究報告会に参加し情報収集を行う予定であったが、新型コロナウイルスの影響によりオンラインで開催されたものが複数あり、出張費が残ったため。残額分は、円安と物価高の状況を鑑みて、今年度以降フィンランドで現地調査を行うための移動費・滞在費・現地費用として繰り越すことにした。現時点での研究遂行上の問題はない。

  • Research Products

    (1 results)

All 2024

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] フィンランドの高齢者介護、および家族介護の実態と課題:親族介護支援制度に関するヒアリング調査の報告2024

    • Author(s)
      濤岡優
    • Organizer
      日本発達心理学会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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