2023 Fiscal Year Research-status Report
児童相談所一時保護所の研修体系モデルの開発と評価に関する研究
Project/Area Number |
23K01906
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Research Institution | Nayoro City University |
Principal Investigator |
鈴木 勲 名寄市立大学, 保健福祉学部, 准教授 (40722559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 研 山梨県立大学, 人間福祉学部, 准教授 (10709405)
和田 一郎 獨協大学, 国際教養学部, 教授 (10711939)
仙田 考 田園調布学園大学, 子ども未来学部, 准教授 (20759469)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 児童相談所 / 評価システム / 人材育成 |
Outline of Annual Research Achievements |
児童相談所一時保護所職員に必要な専門性を高めるための研修体系が不明瞭であることを受け、本研究では、職員の研修実態や内容、方法を把握し、効果的な研修体系モデルを開発・実証することを目的としている。2023年度から4年間の予定で始まり、初年度(2023年度)には全国152か所の一時保護所職員を対象にしたアンケート調査を実施し、研修実態の把握を行った。 アンケート調査は全国152か所の児童相談所一時保護所に郵送により質問紙を配布し、2023年12月20日から2024年2月21日までに調査を1回実施した。調査対象は一時保護所職員(非正規職員を含む)と管理職を対象とし、一時保護所職員の実際の研修状況を調査した。職員調査では567票、管理職調査では、82か所の一時保護所から回答を得た(回収率53.9%)。本調査は名寄市立大学研究倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号23-0033)。 一時保護所職員のアンケート調査結果では、所外研修の受講率は低いが満足度は高い傾向にあった。しかし、研修が専門性向上に寄与しているかは不明瞭であり、効果測定が不十分、または研修内容が実務スキル向上に直結していない可能性も示唆された。また、低い受講率の一因として、スケジュール調整や実務との両立の困難さがあげられ、OJTの実施頻度も低く、実践的な学びの機会が限られていることが明らかになった。 研修が実際の業務にさらに役立つようにするため、評価メカニズムの導入と実践的な内容の強化が必要である。また、職員が研修に参加しやすい環境を整えるため、人員配置の見直し、短期集中プログラムの開発、オンラインでの学びの提供など、研修参加の障壁を低くする対策が求められていることが示された。さらに、OJTの強化や研修後のフォローアップにより職員のスキル向上を支援するとが重要であり、これにより質の高いケアの提供が期待できることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的を踏まえ、次の研究テーマを設定して実施した。研究初年度のテーマは、一時保護所職員に必要な専門的な知識・技能の細項目を検討することであった。そのため、一時保護所へのアンケート調査により、研修や勤務実態、専門性の細項目を明らかにすることを目指した。調査対象は全国152か所の一時保護所に勤務する保育士や児童指導員、管理職者(スーパーバイザーを担っている職員)であった。 調査の結果、職員調査では567票、管理職調査では82か所の一時保護所から回答を得た(回収率53.9%)。これらの調査データの統計解析も進んでいることから、進捗状況はおおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
アンケート調査の結果を踏まえ、今後は、「一時保護所職員に対する研修の事例的検討」を行う。そのため、優良事例のヒアリング調査を行い、研修内容や研修実施の工夫を探索する。対象は、5ヶ所の一時保護所の研修事例を訪問し、児童指導員や保育士、管理職者に対して面接を行う。同一の一時保護所の研修を複数回観察するとともに、研修の工夫などについて質問を行う。少数データにも対応可能なSCATにより、効果的な研修の理論を構築する予定である。
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Causes of Carryover |
今年度はアンケート調査を実施した。質問内容や設問数を整理したことからアンケート調査に関係する費用が想定していたよりも少額で済んだ。この部分の費用は、次年度、インタビュー調査を計画していることから旅費として使用する予定である。
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Research Products
(6 results)