2023 Fiscal Year Research-status Report
介護事故の解明と介護事故防止にむけた根拠に基づく介護安全システムの構築
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23K01952
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
大浦 智子 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 老年学・社会科学研究センター, チームリーダー (10581663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮口 英樹 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (00290552)
木下 亮平 大阪人間科学大学, 保健医療学部, 講師 (40881503)
有久 勝彦 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 准教授 (90711359)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 介護事故 / 事故防止 / 安全 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,介護事故の実態を明らかにするとともに,介護の模擬的環境における危険予知と睡眠やストレスを含む要因との関連を明らかにすることで,介護従事者の健康を守りながら介護事故を防ぎ,持続可能な介護システムの構築に寄与することを目的とする. まず,介護老人福祉施設2施設,介護老人保健施設1施設の過去2年間もしくは3年のインシデント/アクシデントレポートから事故の発生場所・内容を抽出し分類した.3施設のインシデント/アクシデント報告の書式が異なったため,2023年度は施設毎に分析を進めた.このうち,施設Aの詳細分析において,研修実施前後のインシデント/アクシデント件数や特性を記述し,インシデント報告が減少している時期にアクシデント報告が増加する傾向を認めた. 次に,視線の動きとストレスが危険予知能力に与える影響を解明するために,承諾が得られた介護職員に対し,TP-KYTとアイトラッカーを用いた視線分析,持続的ストレスを含む健康状態に関する質問紙調査,および唾液アミラーゼと脈波による即時ストレス・自律神経バランス測定を実施している.具体的には,事前に配布し記載された質問紙を回収し,唾液と脈波検査(1回目),次にウェアラブル式のアイトラッカーを装着しながらTP-KYTを実施し,最後に実施後の唾液と脈波検査(2回目)を行うものである(TP-KYT実施前のストレス状況と,TP-KYT実施前後における変化量を把握することで時間制約が与えるストレスの有無を確認するために,ストレスと自律神経バランスを測定する).当初の予定通り,手順確認のためのパイロット調査を経て,本調査にてデータ蓄積を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3施設のインシデント/アクシデントレポートの抽出を終え,分析に着手している.視線の動き・ストレス・危険予知能力に関する研究のデータ測定は,一部の機器での測定エラーを除きおおむね順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
介護施設におけるインシデント/アクシデントの特性について分析を進め,結果の公表にむけて準備する.視線の動き・ストレス・危険予知能力に関する研究のデータ測定は,予定数(40~60名)にむけて継続する.
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Causes of Carryover |
予定していた対面会議が遠隔会議に変更となり,次年度使用額が生じた.今後,データ測定および対面会議等にて使用する.
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