2023 Fiscal Year Research-status Report
ヤングケアラーの時間貧困とそれに起因するセルフネグレクトに関する研究
Project/Area Number |
23K01959
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
佐藤 裕紀子 茨城大学, 教育学部, 教授 (00272740)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | ヤングケアラー / 時間貧困 / セルフネグレクト / 学校 / 支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、現在、ヤングケアラーである者、かつてヤングケアラーであった者5名を対象に聞き取り調査および生活時間調査を実施した。 調査方法は半構造化面接である。1人あたり30分程度とし、語られた内容は対象者の許可を得た上でICレコーダーに録音した。対象者には、事前に研究の趣旨や個人情報の保護について十分な説明を行い、研究協力への同意を得た上で調査を実施した。 限られた対象(5名)のみの面接調査ではあり、暫定的な結果ではあるが、これまでの調査結果からは、ヤングケアラーに共通することとして以下の点が確認できた。①家族の世話だけでなく複合的な問題が関係している。②周囲の大人が社会的なサービスを利用することを拒否している。③本人が長期的な展望を持てていない。④きょうだいでは女性が担っていることが多い。⑤きょうだいでは社会人の年長者よりは学齢期の年少者が担っていることが多い。⑥慢性的な寝不足。 令和6年度はさらに対象者を増やし、ヤングケアラーの時間貧困の実態やセルフネグレクトに関わるデータを収集していきたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では令和5年度に面接調査を終える予定であったが、対象者が5名しか集まらず、面接調査の続きは令和6年度に持ち越された。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は調査協力者を呼び掛けて面接調査をさらに進め、ヤングケアラーの生活実態について時間貧困やセルフネグレクトの視点から分析を行う。
|
Causes of Carryover |
令和5年度は当初の予定ほど調査協力者が確保できず、研究成果をまとめたり、それを公表したりすることもできなかった。そのため、次年度にそれらのための予算を繰り越すことになった。
|