2023 Fiscal Year Research-status Report
明治・大正期における「作歌」の音楽教育における歴史的意義
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23K02107
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
国府 華子 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (70282811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 みゆき 尚絅大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (00738552)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 作歌作品 / 明治・大正期 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の実績は、日本音楽教育学会全国大会(弘前大会)での口頭発表、犬童球渓の出身地である人吉市で開催したレクチャーコンサート、2024年3月に掲載された紀要論文である。 2023年10月14日に行った日本音楽教育学会全国大会での発表では「音楽教材としての作歌作品の傾向について ~『音楽新報』(1904-1907)掲載の作歌作品分析を通して~」の発表を行った。犬童が最初に自身の作歌作品を掲載した『音楽新報』を取り上げ、犬童の作品を中心としてその他の作歌作品についてもその傾向を探った。『音楽新報』掲載の歌曲には、「民謡」や「筝曲」なども含まれており、教材としての意味合いのみで掲載されていたわけではないことが明らかとなった。その一方で、「懸賞唱歌」も募集しており、日本語の歌詞の曲を増やし、掲載する意図があったものと考えられる。さらに、教材集として使用されたと考えられる『中等教育唱歌集』への楽曲の掲載が、すべてこの雑誌からの抽出であることが明らかとなった。 2023年12月9日に人吉カルチャーパレスにおいて、「犬童球渓没後80年 人吉から世界へ歌でつながる心と世界」のレクチャーコンサートを「犬童球渓の音楽アーカイブズの構築」(2021-2023年度:科学研究費 基盤研究(C))との合同成果発表として行った。「明治・大正期における「作歌」の音楽教育における歴史的意義」としては、「球渓の作歌活動」についてのレクチャーと、犬童球渓の作歌作品の演奏を行った。 論文としては、「犬童球渓の作歌研究 “Erk's Deutscher Liederschatz”に書き込まれた創作過程検証」を発表した。作歌作品の原譜の発見により、とそこへの書き込み、さらには出版された作品との同定を行ったことで、創作過程の一端を明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
犬童球渓の作品を中心とした作歌作品の収集については、その作業はおおむね順調に進められており、原曲の歌詞との関係の一端を明らかにすることができた。また、一部ではあるが、雑誌掲載の作歌作品の分析を行うことで、『中等教育唱歌集』掲載への道筋が明らかとなった。今年度は、さらに教材としての作歌作品についての意義を明らかにするために、教科書を中心に分析を行っていくこととしたい。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、明治・大正期の作歌作品についての収集・分析を行い、作歌作品の傾向を探る。それと共に、2023年度の調査において、教育の場における「作歌」の歴史的意義について明らかにするためには、教科書や学校で使用された唱歌集に掲載された作歌作品の掲載過程や、選曲が重要であることが明らかになったため、特に教科書に焦点を当て、ここに掲載された作歌作品の傾向を明らかにすることを通して、歴史的意義について探っていきたい。 また、どのような作品がその後残されていったのか、音楽教材としての価値が見いだされていったのかの変遷についても追求していきたい。
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Causes of Carryover |
研究分担者の体調不良により、年度末に計画していた調査を行うことができなかったため、次年度使用額が生じた。次年度の調査費用として使用する計画である。
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