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2023 Fiscal Year Research-status Report

生きづらさを軸にした日本型キャリア教育プログラムの開発

Research Project

Project/Area Number 23K02168
Research InstitutionHosei University

Principal Investigator

遠藤 野ゆり  法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (20550932)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 大塚 類  東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 准教授 (20635867)
Project Period (FY) 2023-04-01 – 2028-03-31
Keywords生きづらさ / キャリア教育 / キャリア発達
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、現在の日本のキャリア教育について、その実施状況や、実施内容の検討、特にキャリア教育の副作用について検討することにしている。また、生きづらさを抱える人々に、その生きづらさの背景を言語化してもらうことで、どのようなキャリア支援が必要なのかを明らかにしていく。
2023年度は、若者の生きづらさの実態をより詳細に示すこと、また現行のキャリア教育の成果と課題とを明らかにすることを念頭に、当事者へのヒアリング調査や、ヒアリング調査の成果を論文化する作業を行なった。生きづらさについては、発達的な特性や、家族関係の課題、それらがもたらす精神的な局面について考えた。また、生きづらい人たちが、学校や就業において抱える課題を検討した。
キャリア教育については、世代や地域ごとに学校で受けてきた教育が異なることから、具体的なキャリア体験についての聞き取り調査を行なうだけでなく、地方都市の学校で、実際にキャリアサポートプログラムを実施した。地方でのキャリア選択肢の少なさや、若者にとってのキャリアイメージの持ちにくさに対して、どのようなアプローチが可能か、試験的な取り組みを実施した。また山間部などでは、地域の消滅に絡んで、キャリア教育と地方創生とを同時に目論む活動があることに注目し、そのメリットや、キャリアの示唆に含まれるバイアスなどを検討した。
キャリア教育の中では、将来や自分、他者について、言語化させていくことが多く行われるが、その中にはしばしば、おとなからのバイアスを含んだ方向づけがなされることがわかってきた。また、言語化による自己理解の促進が、ときに、自己イメージの固定化に伴う視野狭窄を生み出すのではないか、という可能性も見えてきた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当事者を中心にした研究会は予定よりも早く、かつ継続的に実施できている一方で、文献研究が予定よりも遅れている。これは、業務に十分なエフォートを割くことができなかったことが要因であり、今後、文献研究の進め方について整理したい。

Strategy for Future Research Activity

当事者研究を含む研究会が複数、継続的に実施できていることから、本研究のメインの活動の一つとして、この研究会を設定したい。
具体的には、生きづらさを抱える20代の当事者の定例的な集会を今後も継続的に実施し、就労に至るまでのキャリアの課題を明らかにしていきたい。また、キャリアサポートのボランティア活動従事者らの聞き取り調査も実施し、その目的、キャリアに関するスタンスなどを明確にしていきたい。そして、それらの経験が、実際にどのような効果になっているのかを、聞き取り調査をもとに明らかにしていきたい。
当事者同士による相互的な研究会とは別に、大学生の生きづらさについて、本格的な調査を実施したい。ネガティブな話題を回避したがる大学生にとって、生きづらさに注目することは、あまり経験していないことだと考えられる。実際にどのぐらいの大学生が、何に関して生きづらさを感じやすい/感じにくいのかを、調査をもとに検討していきたい。
もう一つは、企業や学校とコラボした、やわらかいキャリア教育の試験的な実施である。現在、複数の地域や学校で試験的な取り組みをしており、これらの効果を検証したい。と同時に、実際のキャリア教育を実施するにあたって、おとなたちはどのようなキャリア志向を持っているのかを調査したい。
また、本研究では、文献研究を主軸の一つに置いていたが、これは現在、十分に行えていない。キャリア・スタディーズをめぐる心理学と社会学の文献が膨大にあり、整理できていない現状がある。2024年度は目標を縮小し、著名な文献を少数読み込むことにしたい。

Causes of Carryover

一つは、文献研究が十分に進まなかったことによる、物品費の少なさにある。また、調査をオンライン等で実施する機会も多く、経費が削減できた。文字起こしにも有料アプリを活用するなど、経費の削減が成功した面もある。
そこで、研究成果の書籍化に向けて、今後は大規模な調査を実施し、また、研究協力者への十分な謝礼ができるようにしたい。

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Published: 2024-12-25  

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