2023 Fiscal Year Research-status Report
ペアレントクラシー社会のキャリア形成・教育の実証分析及び校種間連携プログラム開発
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23K02221
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
望月 由起 日本大学, 文理学部, 教授 (50377115)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | キャリア教育 / キャリア形成 / 校種間連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、公的な全国調査の再分析及び学校等での観察・インタビュー調査の実施等を通して、「児童・生徒・学生のキャリア形成の状況や課題」や「学校におけるキャリア教育の現状や影響」等について、保護者の影響も含めて実証的に捉えた上で、学習指導要領にて強調されているような「キャリア教育を基軸とした校種間連携プログラム」を社会学的な観点から検討し、開発することを試みる。 令和5年度から令和9年度の5年間にわたって、主に以下の3つの分析課題に応じた取り組みにあたる予定である。 第一に、「児童・生徒・学生のキャリア形成の状況や課題」「小学校・中学校・高等学校・大学におけるキャリア教育の状況や課題」「保護者の意識や働きかけも考慮しながら、学校におけるキャリア教育が児童・生徒・学生のキャリア形成に与える影響」等に焦点をあて、国立教育政策研究所等の公的な全国調査の再分析を行うことである。 第二に、学校や教育委員会等への観察・インタビュー調査を実施することにより、既存の量的な全国調査からだけでは明らかになりにくい状況や課題を抽出し、公的な全国調査の再分析結果と合わせて考察を深めることである。 第三に、これらの実証的な調査分析をふまえ、学習指導要領にて強調されているような「キャリア教育を基軸とした校種間連携プログラム」について社会学的な観点から検討し、例示や試行を行うことである。 研究初年度にあたる今年度は、国立教育政策研究所による「キャリア教育に関する総合的研究」のデータを整理するとともに、キャリア教育の現状や影響について、学校や教育委員会に質問紙調査や聞き取りを実施した。ほか、今後の調査設計、分析、考察等に向けて、先行研究や関連する書籍等による情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先に示した3つの分析課題のうち、主に第一の課題および第二の課題に取り組むことを今年度は予定し、以下のとおり、おおむね順調に進展している。 第一の課題については、国立教育政策研究所による進路指導やキャリア教育に関連する全国調査のデータ整理を行うことができた。 第二の課題については、次年度以降に予定している観察・インタビュー調査の予備調査として、東京都内の中学校や教育委員会への質問紙調査および聞き取りを実施した。その結果に基づき、ビフォーコロナ期とアフターコロナ期の比較をしながら、「生徒のキャリア形成の状況や課題」や「学校におけるキャリア教育の現状や影響」等について分析を行うことができた。 ほか、今後の調査設計、分析、考察等に向けて、先行研究や関連する書籍等による情報収集を順調に進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的を達成するために、今後も先に示した3つの分析課題に沿って、以下のように推進していく予定である。 第一の課題については、令和8年度までに、「児童・生徒・学生のキャリア形成の状況や課題」「小学校・中学校・高等学校・大学におけるキャリア教育の状況や課題」「保護者の意識や働きかけも考慮しながら、学校におけるキャリア教育が児童・生徒・学生のキャリア形成に与える影響」等に焦点をあて、国立教育政策研究所による進路指導やキャリア教育に関連する全国調査の再分析を行う。 第二の課題については、令和8年度までに、学校や教育委員会等への観察・インタビュー調査を広く実施することにより、既存の量的な全国調査からだけでは明らかになりにくい状況や課題を抽出し、全国調査の再分析結果と合わせて考察を深めていく。 第三の課題については、令和8年度以降に、第一の課題や第二の課題の結果をふまえながら、学習指導要領にて強調されているような「キャリア教育を基軸とした校種間連携プログラム」について社会学的な観点から検討し、例示や試行を行う。 ほか、調査設計、分析、考察等を厚みのあるものにするために、先行研究や関連する書籍等による情報収集を積極的に行う予定である。
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Causes of Carryover |
申請者の体調不良等により、今年度に予定していた調査が都内の一地域での実施のみとなったため、旅費が不要となった。また同様の理由により、学会大会等への参加がほとんどできず、予定していた旅費等が不要となった。 次年度以降、体調の回復をまって、観察・インタビュー調査の対象を全国の複数地域に広げるとともに、学会大会等への参加や発表を積極的に行うなど、旅費等を適切に活用していく予定である。
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